大学生の学習・生活実態調査報告書
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大学で過ごす時間の内訳

 大学で過ごす時間の内訳をみると「授業などへの出席」が5.8割と最も多く、次いで「友人との会話や交流など」1.6割、「図書室や研究室などでの自習」1.3割、「大学構内でのサークルや部活動」1.0割、「その他」0.4割であった。

Q
大学で過ごす時間のうち、次のようなことをどのくらいしていますか。合計が10割になるようにお答えください。なお授業やゼミなどの準備は「図書館や研究室などでの自習」に含めてください。
 大学生は大学でどのように過ごしているのかについて、大学で過ごす時間の内訳を、「授業などへの出席」「図書室や研究室などでの自習」「大学構内でのサークルや部活動」「友人との会話や交流など」「その他」の5つの項目でたずねた。それぞれの内訳の平均は、「授業などへの出席」が5.8割と最も多く、次いで「友人との会話や交流など」(1.6割)、「図書室や研究室などでの自習」(1.3割)、「大学構内でのサークルや部活動」(1.0割)、「その他」(0.4割)であった(表2-2-5)。
表2−2−5 大学で過ごす時間の内訳:平均(全体・学年別)
 図2-2-1に「その他」を除いた項目の回答分布を示した。「大学構内でのサークルや部活動」で「0割」が55.8%と半数を超えており、サークルや部活動の参加状況が49.0%*1であることともある程度符合する。
 一方で「友人との会話や交流など」で、「1割」以下の比率が56.6%と高い。前項の表2-2-2に示した1週間を通して大学で過ごす時間の平均25.1時間*2に、「友人との会話や交流など」の平均割合の1.6割を掛け合わせると1週間あたり4.0時間、通学日数の平均が4.4日*3であったことから、大学内での友人との交流は1日あたり1時間に満たない計算となる。また1週間を通して大学以外で過ごす時間のうち、「友だちづきあい」で、「3〜5時間」以上が53.9%*4であることを勘案すると、大学生の対人関係に費やす時間が少ないようにも考えられる。しかし今回の調査結果のみをもって「現在の大学生は人間関係が希薄」と結論づけるのは早計であり、時間といった量的な側面以外からの検証が必要である。
  • *1 第2章第2節「サークルや部活動への参加状況」(図2−2−2)を参照。
  • *2 第2章第2節「1週間を通しての通学日数、大学で過ごす時間」(表2−2−2)を参照。
  • *3 第2章第2節「1週間を通しての通学日数、大学で過ごす時間」(表2−2−1)を参照。
  • *4 第2章第2節「大学以外での時間の過ごし方」(表2−2−14)を参照。
図2−2−1 大学で過ごす時間の内訳(全体)
 次に表2-2-5に大学で過ごす時間の内訳について、その平均を学年別に示した。特徴として「4年生」で「授業などへの出席」(4.7割)が全体よりも低く、かわって「図書館や研究室などでの自習」(2.4割)が高くなっている。
 同様に学部系統別での大学で過ごす時間の内訳の平均を表2-2-6に示した。「保健その他」をみると、「授業などへの出席」が平均で6.3割と、他の学部系統と比べてやや高い傾向がみられた。「保健その他」は、1週間を通しての通学日数や大学で過ごす時間が他の学部系統に比べ多い傾向がみられた*5が、「保健その他」に含まれる医学部、歯学部などの大学生は、正課の授業を中心に忙しい学生生活を送っていることが推測される。
  • *5 第2章第2節「1週間を通しての通学日数、大学で過ごす時間」(表2−2−3、表2−2−4)を参照。
表2−2−6 大学で過ごす時間の内訳:平均(全体・学部系統別)
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