第4回学習基本調査・中学生版
   PAGE 3/9 前ページ 次ページ
3. 中学生の学習に向かう姿勢や考え方の4つの特徴

 では、「(1)まじめだが受け身」「(2)学習するが学校に閉じている」「(3)地域・家庭間格差」「(4)成績差」の4つの特徴から、中学生の学習に向かう態度や考え方について、分析結果を概観していくことにしよう。なお、本章で取り上げる数値は、巻末基礎集計表や本文中の図表のものであり、一部掲載されていない数値も含まれている。


(1) まじめだが受け身


 第一の特徴は、まじめになったということだ。その様子は、次のようなデータからいえるだろう。まず、学校の授業中の様子をみてみると、「黒板に書かれていなくても、先生の話で大切なことはノートに書く」(第3回53.6%→第4回56.8%、「よくある」+「時々ある」の%、以下同)、「授業でわからないことは、あとで先生に質問する」(28.3%→35.4%)比率が数ポイント増加しているなど、学習態度がまじめになる一方で、「マンガをかいたり、文房具で遊ぶ」(28.8%→25.7%)、「ぼうっと他のことを考えている」(61.0%→55.3%)など、授業に集中していないとみられる逸脱行為は減っている。

 また、家での学習の様子をみてみると、「嫌いな科目の勉強も一生懸命する」(第3 回72.6%→第4 回74.7%、「あてはまる」+「まああてはまる」の%、以下同)、「計画を立てて勉強する」(44.1%→50.9%)、「授業で習ったことは、その日のうちに復習する」(41.8%→48.9%)、「家族に言われなくても自分から進んで勉強する」(61.7%→65.8%)などのまじめな勉強態度や、まだまだ少数派ながらも「毎日こつこつ勉強する」(27.3%→33.2%)という地道な勉強タイプが増えてきている。


 ところが、これらのデータから中学生の勉強に向かう態度がまじめになったと手放しで喜ぶわけにはいかないようだ。というのも、学校で好きな勉強方法としては、いわば伝統的な勉強方法である「先生が黒板を使いながら教えてくれる授業」(76.4%「とても好き」+「好き」の%、以下同)がもっとも高くて4 分の3 を超えているほか、「ドリルやプリントを使ってする授業」(第3回43.5%→第4 回49.0%、以下同)も第3 回より支持を増やしている。これらの勉強方法は、教師の側からは時間をかければ学力向上につなげやすいものの、生徒の側からすれば受け身な勉強方法である。

 その一方で、「いろいろな人に聞きに行ってする授業や調査」(45.3%→41.3%)、「学校外のいろいろな場所に行ってする授業や調査」(70.7%→67.4%)、「考えたり調べたりしたことをいろいろ工夫して発表すること」(34.5%→31.5%)など、近年増加している「自ら主体的に学ぶ」勉強方法のなかでも、実際に生徒たち自身が動かなければいけないような勉強方法への支持には変化がみられない。

 家での学習も第2 章で詳しく分析しているように、「学校の宿題」や「復習中心」で「学校で使う教材中心」に行っていて、「予習中心」にして学習内容を先取りしたり、「書店などで売っている問題集・参考書」を使って学校以外の学習を中心にしたりする中学生は少ない。また、「毎日こつこつ勉強する」わりには、「辞書(英語・国語など)を引く」(37.2%「よくする」+「時々する」の%、以下同)、「参考書を読む」(34.7%)、「図鑑や事典で調べる」(14.1%)といった手間のかかる作業は敬遠され気味である。


 このような姿勢は、学習に対する考え方からもうかがえる。学習上の悩みは、「上手な勉強の仕方がわからない」(68.3%)、「覚えなければいけないことが多すぎる」(56.9%)、「わかりやすい授業にしてほしい」(51.3%)といった悩みが上位を占めており、勉強しなければいけないことはわかっているまじめな気持ちがある反面、それが行動としてはなかなかうまく取り組めていないもどかしさが見受けられる。また、学力観としては、「できるだけいい高校や大学に入れるよう、成績を上げたい」(第3 回57.8%→第4 回61.9%、以下同)と思う比率と「どこかの高校や大学・短期大学に入れる学力があればいい」(45.9%→49.4%)と思う比率が、どちらも増加傾向にある。学校からいわれてせっかくまじめに勉強しているのだから、それなりの結果はほしいけれど、自分で思い切り背伸びをすることはないか、というところではないだろうか。


 確かに中学生はまじめになった。しかし、まじめにはなったが、それは、学校の教師から与えられた課題をきちんとこなすという受け身のまじめさであって、自分から能動的に、また学校の勉強の範囲を超えて学習に取り組もうというまじめさではないようなのである。


    PAGE 3/9 前ページ 次ページ
目次へもどる  調査・研究データ