第4回学習基本調査・高校生版
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2.いっそう鮮やかにみえてきた“脱受験競争時代”(2006 年第4回調査)


  ≪増加に転じた小・中学生の学習時間≫

 そして2006年実施の第4回調査。結果がみせたのは、第3回以上に鮮やかな“脱受験競争時代”の高校生の学習行動だった。そのことを如実に表しているのがほかならぬ学習時間である。


 図1-1をみてほしい。小学生の学習時間は、第1回の87.2分(平日平均、以下同)から第3回の71.5分まで減少を続けたものの、第4回には一転81.5分にまで回復をみた。中学生も同様で、96.9分(第1回)から80.3分(第3回)まで落ち込んだ学習時間は、今回87.0分と増加に転じた。1990年代以降少なくとも10年以上にわたって減少を続けた学習時間は、小・中学生については歯止めがかかったものとみてよいだろう。

図1-1 平日の家庭学習時間(小学生、中学生、高校生)

  なぜ歯止めがかかったのか。第3回調査が行われた2001年以降、教育政策は大きな変化を余儀なくされた。1990年代終盤から起こった学力低下論争は、新学習指導要領導入後の学力低下に対する激しい不安を世論に惹起した。そのため、文部科学省は『学びのすすめ』(確かな学力の向上のための2002アピール)を公表し、その後も学力向上のための施策を矢継ぎ早に放った。「学力向上フロンティア事業」や「学力向上アクションプラン」が導入され、全面実施されてまだ1 年を経たにすぎない新学習指導要領の一部改正が告示された。現在でも学習指導要領の基本枠組みは、「完全学校週5 日制」など「ゆとり教育路線」の産物であり続けているが、「ゆとり」から「脱ゆとり」(学力向上)へと実質的な路線変更がなされた。学力の国際比較調査の結果公表(PISA2003、TIMSS2003、2004年12月公表)も、日本の学力低下を印象づけ、脱ゆとり路線の定着に一役買った。

 小・中学生の学習離れに歯止めがかかった事実は、こうした変化の帰結とみることができる。

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