学習基本調査・国際6都市調査報告書
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4.勉強の効用

学校の勉強がどのようなことに役に立つと思うかをたずねたところ、ほとんどの項目で「役に立つ」と答えた小学生の比率は東京でもっとも低い。さらに東京で「出世」「お金」「一流企業就職」などの一般的に社会的な成功と考えられる項目について、学校の勉強の効用を肯定する比率の低さが際立っている。

 Q.学校の勉強は、次のことにどのくらい役立つと思いますか。

図1-3-7 勉強の効用
 全般的に、小学生は学校の勉強がさまざまなことに役に立つと考えているようで、いずれの都市でも、多くの項目について7〜8割の小学生が「役に立つ」(「とても役に立つ」+「まあ役に立つ」の%、以下同)と答えている(図1-3-7)。
  最大の特徴は、東京はほとんどの項目で、「役に立つ」と答える小学生の比率が他都市の小学生と比べてもっとも低くなっており、学校の勉強の役立ち感が弱いという点である。とくに他都市と差がある項目は「お金持ちになるために」で、東京で「役に立つ」と答える小学生の比率は42.6%でもっとも低く、つづく北京(65.7%)と20ポイント以上、もっとも高いロンドン(78.6%)と36ポイントの差がある。同様に「会社や役所に入ってえらくなる(出世する)ために」(64.3%)では、次いで低い比率の北京(75.8%)と約12ポイント、もっとも高いヘルシンキ(91.9%)とは約28ポイントの差がある。「一流の会社に入るために」でも、東京は74.9%で唯一8割を下回っている。これらの結果から東京の小学生は出世、高収入など、通常社会的な成功と考えられるものを得るために、学校の勉強が役に立つと考える傾向が弱いことが読み取れる。
  その他、「趣味やスポーツなどで楽しく生活するために」はロンドン(88.7%)とワシントンDC(84.0%)の欧米2都市に加えて、北京(87.9%)で高くなっている。また、「尊敬される人になるために」の項目では、東京(70.5%)とヘルシンキ(72.7%)がロンドン(91.1%)とワシントンDC(90.5%)より20ポイント程度も低い点も特徴的である。
 「社会で役に立つ人になるために」「心にゆとりがある幸せな生活をするために」については、やはり東京がもっとも低い比率(東京82.5%<他の5都市85.0〜95.3%、東京81.3%<該当項目のないヘルシンキを除く他の4都市83.8〜91.6%)となっている。また「よいお父さん、お母さんになるために」は北京に次いで比率が低い。しかし、これらの項目では東京を含むいずれの都市でも8割を超え、勉強の役立ち感は強いようである。
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