学習基本調査・国際6都市調査報告書
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第1章 全体まとめ


世界の小学生の学習状況
各都市の特徴について  木村治生

 第1章では、4つの節に分けて6都市の小学生の学習に関する意識と実態を検討してきた。ここでは、いくつかのデータから各都市の特徴を改めて浮き彫りにし、最後に東京(ひいては日本)の課題を考察したい。

 ■学習時間の状況

 最初に、各都市の小学生がどのくらい学習しているのかを、もう一度確認しよう。
  第2節で明らかにしたように、学習時間は東アジア3都市で長く、欧米3都市は短い傾向がある。平均の学習時間は、長い順に、ソウル145.8分、北京131.6分、東京101.1分、ロンドン74.1分、ヘルシンキ68.2分、ワシントンDC62.6分であった。今回の調査では、学習時間トータルのなかで宿題に費やす時間もたずねている。この結果は、北京がもっとも長く60.0分であり、これに欧米3都市が45分前後で続き、ソウルと東京は30分台と短い。
  図1は、学習時間全体から宿題の時間を引いて「宿題以外の学習時間」を算出し、これと「宿題の時間」の関連を示している。これをみると、学校外での学習のしかたについて、大きく3つのタイプに分けることができる。
  第一のタイプは、「宿題以外の学習時間」が短く、「宿題の時間」が平均値に近い都市で、ヘルシンキ、ロンドン、ワシントンDCの3都市がこれにあたる。この3都市は、図中でも近いところにプロットされている。家庭では学校の宿題を中心に学習し、それ以外の学習はあまりしない様子が表れている。第二のタイプは、「宿題以外の学習時間」が長く、「宿題の時間」が短い都市で、東京、ソウルがこれにあたる。この2都市は、学校外の学習が盛んなこともあって、教員が宿題をあまり出さないようにしているのかもしれない。第三は、「宿題以外の学習時間」も「宿題の時間」もともに長いタイプで、北京が相当する。北京の小学生は、教員から多くの宿題が課されているうえに、それ以外の学習も多いことがわかる。
図1 「宿題の時間」と「宿題以外の学習時間」の関係
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