ベネッセ教育総合研究所 高校生の学力変化と学習行動  
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第3章 各教科における学力の壁を乗り越えるための学習と指導

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第2節  偏差値50に満たない生徒たち


 学習習慣に関する調査の結果と私の経験から、偏差値50に満たない生徒たちの特徴と指導上の留意点等をまとめると、次のようなことが挙げられる。

予習復習が日々の日課として習慣化されていない。休日や長期休暇、そしてテスト前にまとめて勉強しようとするが、結局できない。また、勉強してもその時限りに終わり、長続きしない。学習内容が定着せず、成績向上につながらない。

宿題は必ず提出するものだという考えがない生徒もいる。また、指導に従わない生徒もいる。そのような生徒が試験で良い成績を残したいと思って勉強するだろうか。

 そもそも彼らは何のために勉強しているのかを見失っているのではないか。我々教師は科目の指導だけでなく、人生観や職業観などを授業や清掃・部活等の学校活動の中でもっと多く語り、彼らに学ぶ意義を教えるのが大切だと思う。

数学に苦手意識があり、勉強しなければという気持ちはあるが、分からないことだらけ、苦手分野だらけで実際何から始めればよいか悩んでいる生徒も多い。個人面談や個人指導などを行い、生徒一人ひとりの自宅での生活習慣を把握し、個人個人具体的にすべきことを指示する。相談相手になっているつもりで指導することを心掛けたい。それだけで生徒たちは先生と信頼が築け、先生を好きになり、その科目を好きになる。

授業中「板書を書き写すこと」と「説明を聞くこと」のバランスが悪い生徒が多い。特に真面目だが成績不振の生徒はノートをきれいに作ることを重視する。授業プリントを利用しているので私の授業は比較的板書が少ない。そのおかげで生徒たちはよく授業を聞いてくれる。また、説明するときは必ず「鉛筆を置いて前を向きなさい。」と声をかけ、全員が前を向いてから説明を始めるようにしている。

 以上の点を挙げたが、まだ様々な要因は考えられる。そして生徒一人ひとり抱えている問題も違う。ただ我々教師は生徒たちの表面に現れている成績や学習状況だけにとらわれ、それに対して指導するだけでなく、その原因を生徒と共に考え、根本から解決することが大切だと思う。

 


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