授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

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第1章 子どもの家庭学習力を育てる教育の創造

2.子どもの家庭学習力とその理論モデルの提案

ではもう少し具体的に、私たち総合学力研究会が構想した、子どもの家庭学習に関わる変数の理論モデルについて紹介していきたい。

まず初めに、子どもの家庭学習力について見てみよう。

子どもの家庭学習力とは、家庭での規則正しい健康的な生活習慣の基盤の上に、子どもが家庭での宿題、予習・復習、そして自主的学習等を計画的かつ自律的に行うために必要な能力や態度のことである。

このような子どもの学力向上にとってよい効果をもたらす力を定義するためには、これまでに総合学力研究会が提案してきた子どもの総合学力モデルに基づいて、その下位領域や項目を構想することが有効であると思われた。なぜなら、子どもの家庭学習力は、まさに総合学力モデルに含まれる「社会的実践力」と「学びの基礎力」から構成されるものであることが十分に想定されるからである。

例えば、学びの基礎力に含まれる4つの下位領域、「豊かな基礎体験」「学びに向かう力」「自ら学ぶ力」、そして「学びを律する力」は、すでに多くの項目で家庭学習を想定しているし、さらに、そこで想定されている学校での学習の場面をそのまま家庭学習の場面に置き換えて考えても、子どもの家庭学習の諸相をうまく描き出すことができるのである。

一方、社会的実践力に含まれる4つの下位領域、「問題解決力」「社会参画力」「豊かな心」、そして「自己成長力」も、それぞれの領域に含まれる項目を家庭学習の場面に置き換えてみると、それぞれに、家庭学習においても調べたり、考えたり、表現したりする問題解決的な力が必要であるし、また、家庭との連携のもとに地域の図書館や社会教育機関を利用した自主的学習が想定される。さらに、家庭学習において難しい課題に挑戦しようとする心や家庭学習を通して将来の進路展望を考える力等も考えられることから、十分に応用可能性があることがわかる。

そこで、今回の調査では、子どもの家庭学習力を構想するにあたり、子どもの総合学力モデルに含まれている社会的実践力と学びの基礎力に対応させて下位領域や調査項目を作成することにした。そうして作成した子どもの「家庭学習力」モデルは、次のようになっている(なお、モデル図は第2章1節、具体的な調査項目は第2章3節に掲載しているので参照して欲しい。また、因子分析後の新たな因子名(領域名)についても同様に第3章1節をご覧いただきたい。)。

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