授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

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第2章 授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組み構造モデルの提唱/
2-3 子どもの家庭学習と総合学力との関係/2.子どもの「家庭学習力」と総合学力との関係
【2】「家庭学習力」と総合学力との関係

2) 家庭学習力のレベルが高い子どもほど教科学力が高い

図表2-3-15は、家庭学習力に関する回答状況(図表2-3-13)を子ども各人の回答合計に基づいてスコア化し、さらにL1からL5の5段階のレベルに分け、このレベルと教科学力との関係を示したものである。このレベルの高い子どもほど、「とてもあてはまる」と回答している家庭学習力の項目の割合が高い子どもである。図表から、家庭学習力のレベルと教科学力とは顕著な正の相関関係にあることがわかる。また、L1とL5の間の教科学力の差は、基礎と応用いずれについても、図表2-3-13に表れている各項目の肯定群・否定群の両群の差の最大より大きく、家庭学習力の各項目の効果がある程度累積的に積み上がっていることが読み取れる。このことは、学力向上に寄与する家庭学習力の因子が複数存在していることを示しており、家庭学習力の育成は、多面的に図られる必要があることを示唆している(家庭学習力の項目に対する因子分析の結果は第3章1節で報告されている)。

図表2-3-15:「家庭学習力」のレベルと教科学力との関係

注) 家庭学習力のレベルは、家庭学習力各項目の回答スコアの合計に基づき、上位から7%、24%、38%、24%、7%の割合に準ずるかたちでL5からL1の5つの段階を設定している。

家庭学習力と他の総合学力の要素−学びの基礎力と社会的実践力との関係については、小5生・中2生ともに、家庭学習力の項目と後者の項目とはすべて正の相関を示し、相関係数で0.3から0.5程度の比較的強い相関関係を示すものが多いという報告のみにとどめる。このことは、家庭学習力が学びの基礎力や社会的実践力に内包されるものであり、もともと関連のあるものとして定義されたものであることから予想と違わぬ結果と言える。付言するなら、家庭学習力と学びの基礎力ならびに社会的実践力との関係が、相関係数が高いといってもたかだか0.5程度で1(=完全相関)とはまだ隔たりがあるということは、両者は強い関係はあるが、やはり区別されるべきものであることを物語っている。

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