授業と家庭学習のリンクが子どもの学力を伸ばす -学力向上のための基本調査2008より

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第2章 授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組み構造モデルの提唱

2-6 校長の家庭学習充実に向けた取り組み状況

ベネッセ教育研究開発センター 小林洋

はじめに

学力向上のための基本調査2003」では、学力向上に向けて子どもに育む力を総合的に捉えること=「総合学力」育成の大切さを示し、同調査「2004」では、子どもの総合学力を育むには教育力も総合的に発揮されることの大切さを検証した(「総合学力モデル」の提唱→「総合教育モデル」の提唱)。その中で、校長の「学校経営力」が、「教師の指導力」や「家庭の教育力」とともに総合教育力の重要な構成要素であり、「教師の指導力」を左右するのみならず「家庭の教育力」にも影響を及ぼし、結果として学力向上の取り組みの成果を規定している重要な要因になっていることを実証した。さらに、この「学校経営力」の大切さは、近年課題となっているPISA型読解力育成についても同様であることを同調査「2006」で明らかにした(「読解力育成のための取り組みの構造モデル」の提唱)。今回の「基本調査2008」の校長調査では、授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組みにおいても「学校経営力」の果たす役割が重要であるという仮説のもと、一般的な「学校経営力」(「学力向上MORE」モデル)の枠組みを踏まえた「家庭学習充実に向けての学校経営力」(「家庭学習MORE」)のモデルに基づいて調査項目を設定している。本節では、主として後者の調査項目についての校長の回答結果を報告する。

1.家庭学習充実への校長としての取り組みの状況

今回の調査では、「家庭学習充実に向けての学校経営力」について次の4つのカテゴリーを設定し、それぞれのカテゴリーについて具体的な項目を設定している。本章第1節の「授業改善と結びつけた家庭学習充実の取り組み構造モデル」にあるように、4つのカテゴリーとは、

M.基本方針の設定と共通理解促進
O.組織・体制の強化と充実
R.教育資源の充実と有効活用
E.教育課程の整備と充実

であり、上に述べたように学力向上に向けて学校経営力(MORE)モデルの枠組みを家庭学習充実の取り組みに対して当てはめたものとなっている(「MORE」とは、Management、Organization、Resource、Educationの頭文字をとったものである。「MORE」モデルの詳細については『総合教育力の向上が子どもの学力を伸ばす』(「学力向上のための基本調査2004」報告書)を参照)

図表2-6-1(1)は、「家庭学習充実の学校経営力」を問う各設問に対する回答状況を、最初のカテゴリーの「M.基本方針の設定と共通理解促進」について示したものであり、図表2-6-1(2)は、それ以外のカテゴリーについて示している。以下、図表2-6-1について、詳しく見ていこう。

以下、図表2-6-1について、詳しく見ていこう。

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