中学校の学習指導に関する実態調査報告書2009―「学校外教育活動に関する調査」から

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2.理科の学習指導 (理科教員調査)

【解説】調査結果から読み取れること
ベネッセ教育研究開発センター教育調査課長  木村 治生

中学校の理科は、移行措置期間の初年度である今年(平成21 年度)から、標準授業時数が増える。具体的には、3年生の授業が80 時間から105時間になる。また、22 年度には、2年生の授業が105 時間から140 時間に、23 年度には再び3年生の授業が増えて105時間が140時間になる。これにより、トータルで290 時間だった授業時数が、新学習指導要領完全実施の前年である23年度には385時間になる。3割以上も時数が増える計算だ。

今年実施した理科教員調査では、こうした新学習指導要領の移行措置初年度において、理科担当の教員たちが移行措置や新学習指導要領に対してどのような意識を持っているかを明らかにすることを目的に行った。以下では、いくつかポイントを絞って、結果を解説しよう。

1.理科が先行実施されることへの賛否

最初に、今年度から理科が先行実施されることに賛成かどうかをたずねた結果をみてみよう。教員たちの回答は、「賛成」が50.4%、「どちらともいえない」が39.2%、「反対」が8.5%となった。「どちらともいえない」と態度を留保する回答も多いが、半数は賛意を示しており、先行実施にはおおむね賛成していると言えそうだ。昨年度に実施した本調査(「中学校の学習指導に関する実態調査2008」)では、「今の学習指導要領では授業内容が不足している」を肯定する理科教員が80.7%もいた。今回の調査からは、理科の教員の多くが授業時数や学習内容の増加を歓迎している様子を読み取ることができる。先行実施に対する賛成が半数に達しているのは、そうした意識の表れだろう。

しかし、「どちらともいえない」という回答も4割と多い。これは、どのようなことを意味するのか。おそらく、態度を留保する教員の多くが、授業時数や学習内容の増加には賛成しているものの、その実現に対する行政の支援が少ないことに不満をもっているのではないかと考えられる。「反対」と回答した教員に対してその理由をたずねた結果でも、7割弱が「教員の負担増への具体的な支援がないこと」を挙げている。新学習指導要領の実施で3割以上も授業時数が増えるとすれば、教員数を増やすなどの措置が必要になると思われる。

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