「データで考える子どもの世界」

放課後の生活時間調査

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第2部 子どもの行動パターン別にみる生活時間と意識/第1章 平成の時代でも「寝る子は育つ」か

2.子どもの睡眠と休息はどうなっているか

2−1 いつ寝ていつ起きるのか
     ―小学生22時、中学生23時、高校生0時就寝、起床はほぼ6時半前後―

今は夜ふかしの時代だといわれる。ふた昔前までは「もう子どもの時間は終わったのだから寝なさい」というしつけがなされていた気がする。子どもの世界と大人の世界の境界がはっきりしていた。それがボーダーレスの時代に突入した。

実際、子どもたちの就寝の時刻はどうなっているのだろうか(表1−1)。アンケートの回答から平均でみると小学生で22時12分、中学生で23時20分、高校生で23時57分である。粗くいえば、小学生は22時頃、中学生は23時過ぎ、そして高校生は0時頃床に就くというのが一般的である。これをみると、すでに中学生から大人の生活スタイルになっていることがうかがえる。ちなみに、中1生は22時54分で22時台ということから小学生に近いが、中3生は23時51分で高校生に近くなる。

それでは、何時頃起きているのだろうか。興味深いことに起床時刻は小学生が6時40分、中学生が6時41分と、ほぼ同じである。そして高校生も6時33分と少し早いもののそれほど差はみられない。子どもたちにとって起床時刻はほぼ同じとみてよさそうである。

そうすると、自動的に睡眠時間は学年が進むとともに短くなるであろう。実際そうである。睡眠時間の平均は小学生8時間28分、中学生7時間21分、高校生6時間36分である。学校段階ごとにほぼ1時間ずつの差がある。

表1-1:就寝・起床の平均時刻と睡眠の平均時間(学校段階別・学年別)

また、「早寝早起き朝ごはん」という運動がある。「早く寝て、早く起き、そして朝ごはんをしっかり食べよう」という趣旨の運動である。「早起きは三文の得」ではないが、子どもたちの生活リズムを回復させようとするものである。

データが示すように小・中学生、そして高校生たちは、早起きではあるが決して早寝ではない。それでは朝食はしっかり食べているのだろうか(表1−2)。今回、朝食の中身はたずねていないが、朝食にかけた時間をみると、小学生で15分32秒、中学生で14分01秒、高校生で12分54秒であった。この時間ではゆっくり咀嚼できない。手軽で軽い朝食の風景が浮かぶ。これでは忙しいサラリーマンの駅前の立ち食いそば並みの所要時間である。

表1-2:朝ごはんを食べる時間(平均時間、学校段階別)

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