放課後の生活時間調査

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第2部 子どもの行動パターン別にみる生活時間と意識

第4章 誰がどのように遊んでいるのか −遊びとメディアの時間に着目して−


橋本 尚美(ベネッセ教育研究開発センター研究員)

<要旨>
(1)子どもの遊びの中心は、「外遊び」よりも「内遊び」や、「テレビ・DVD」「携帯電話」などの情報やメディアに依拠した遊びにあり、中・高校生ほどその傾向は強い。
(2)遊びやメディア利用の比率は、地域差よりも性別、受験や進学、成績による差が大きい。
また、勉強、習い事、部活動、学校の時間が長いと遊びやメディア利用の時間が短くなる。
(3)遊んでいる子ども(行為者)は、比較的まとまった時間を遊びに費やしている。

1.はじめに

遊びは、子どもの成長・発達に不可欠なものである。児童の権利に関する条約(いわゆる「子どもの権利条約」、日本は1994年に批准)では、第31条に、休息・余暇、遊び・レクリエーション活動、文化的な生活・芸術への参加の権利が定められており、遊びは子どもの権利でもある。しかし近年、子どもの遊びの喪失が指摘されるようになった。現在、子どもはどのように遊んでいるのだろうか。

これまでの遊び研究には、子どもの遊びの内容や遊びの方法に焦点をあてたもの、遊び集団、遊び仲間に焦点をあてたもの、子どもの遊び場や遊びの環境に焦点をあてたもの、遊び時間に焦点をあてたものなどがある。しかし、小・中・高校生の遊び時間、とくに遊びの時刻に焦点をあてたものは少なく、それらを分析する意味は大きい。

また一方で、時間や時刻に焦点をあてた生活時間研究(おもに「社会生活基本調査」「NHK国民生活時間調査」、詳細は「先行研究」参照)では、成人がおもな調査対象であるため、遊びは「趣味・娯楽」「スポーツ」、または「レジャー活動(スポーツ、行楽・散策、趣味娯楽[ネット]、趣味娯楽[ネット以外])」として調査・分析されてきた。そのため、子どもの遊びの特質を明らかにしているとはいえない。

そこで本章は、時間的視点から子どもの遊びを分析するものである。その際、子どもが遊んでいる時刻や、遊びと他の生活時間との関連を明らかにするために、「24時間調査」のデータを用いる。

また、遊びの分析対象とする行動は、表4−1の通りである。まず、本調査において「遊び(学校以外)」と設定した「屋外での遊び・スポーツ」「室内での遊び」「テレビゲーム」である<(1)>。しかし今日では、情報そのものを楽しむ遊びやメディアに依拠した遊びも含めて、子どもの遊び(広義の遊び)をとらえる必要があると考え、メディアに関する行動も合わせて分析する<(2)>。なお、とくに「屋外での遊び・スポーツ」については、調査時期が11月中旬であることの影響を受けている可能性があることを断っておく。

表4-1:分析対象とする行動

※「24時間調査」の行動分類表
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