第1節 携帯電話の利用の実態

その契約台数から「ひとり1台は携帯電話を所有する時代」などといわれるこの国において、はたしてどれくらいの子どもたちが携帯電話を持ち、使っているのか。その利用の実態を明らかにすべく、「所有」「利用頻度」「利用機能」「料金の支払い者」「連絡先の登録件数」「使用のきっかけ」に関してたずねた。
◆高校生は男女とも約9割が携帯電話を所有
「あなたは、携帯電話を持っていますか」の設問に対し、「自分専用の携帯電話を持っている」「家族と一緒に使う携帯電話を持っている」「携帯電話は持っていない」のいずれかを回答してもらった。表1−1−1は、所有の内訳を示したものである。学年別にみると「自分専用の携帯電話を持っている」小4生は22.0%であるが、中3生では46.7%と倍増し、高2生では93.5%とさらに増える。「家族と一緒に使う携帯電話を持っている」は、学年によって多少ばらつくが、小・中学生は5.4%から8.5%とほぼ一定の割合である。しかし高校生になると、高1生が0.3%、高2生が0.2%と、ほとんどいなくなることがわかる。以下、調査の結果から「自分専用の携帯電話を持っている」と「家族と一緒に使う携帯電話を持っている」との回答を足して「携帯電話を持っている」層とし、その割合を「所有率」とした。
学校段階別の携帯電話の所有率は、小学生で30.6%、中学生で47.8%、高校生で92.3%となっている(図1−1−1)。学年別では、小4生の29.0%から高2生の93.7%まで、学年があがるにつれて増加していくが、とくに中学生の間で増加し、中3生と高1生の間でもっとも大きく跳ね上がっている。
性別にみると、女子のほうが男子よりも所有率が高まる時期が早く、中学生では約15〜20ポイント程度も女子の所有率が高い。ただ、高1生になるとその差が一気に縮まり、高2生になると男女差はほとんどなくなる。高校生の男女とも約9割という所有率からは、携帯電話が日常生活を営む上での必須のアイテムとなり、生徒のほぼ全員が所有するクラスの存在も珍しくなくなったということがいえるだろう。
