第2回子ども生活実態基本調査報告書
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2. 食事の様子

首都大学東京准教授 長沼葉月

 「朝食をとらないで学校に行く」「好きなものだけを食べ、嫌いなものを残す」などの項目が2004年と比べて減少。文部科学省の「早寝早起き朝ごはん」運動の影響があるのかもしれない。ただし「ダイエットのために食べる量を減らす」は全学校段階で増加しており、とくに高校生女子で増加幅が大きい。過剰なやせ志向の広まりに注意が必要である。

食習慣は向上している

 すでに触れた「早寝早起き朝ごはん」運動では、朝食の欠食児童を減らすことを目標の1つに掲げていた。食育の試みも企業を中心に広がっている。食事の様子には、2004年と2009年でどのような変化がみられたであろうか。学校段階別に、2004年と2009年の食事に関する項目の回答結果を図にまとめた(図2-1-5図2-1-7)。
■図2-1-5 食事の様子(小学生、経年比較)
図2-1-5 食事の様子(小学生、経年比較)
■図2-1-6 食事の様子(中学生、経年比較)
図2-1-6 食事の様子(中学生、経年比較)
■図2-1-7 食事の様子(高校生、経年比較)
図2-1-7 食事の様子(高校生、経年比較)
 その結果、すべての学校段階において、「好きなものだけを食べ、嫌いなものを残す」「栄養ドリンクやサプリメントを飲む」「朝食をとらないで学校に行く」といった質問項目に対し「よくある」「ときどきある」と答えた子どもの割合は、いずれも2004年と比べて2009年には減少している。三食をきちんと食べることや、好き嫌いを減らして食事を通じて栄養を考える食育の発想が広がっていることの表れであろうか。とはいえ、「スーパーやコンビニのお弁当を食べる」の割合は2004年も2009年にも変化がなく、三食きちんと食べるようになったということがすなわち手づくりご飯が増えたわけではないことに留意は必要である。「テレビを見ながら食事をする」の回答割合が減少し、「食事の時間を楽しいと思う」の回答割合が増加していることから、食事の中身は市販品を活用することはあるものの、食事のしつけを心がけ、テレビなどを見ず、楽しく会話するような団らんの時間にしようと工夫している家庭が増えているのではないだろうか。なお、2004年から2009年にかけて、「ダイエットのために食べる量を減らす」では「よくある」「ときどきある」の回答が全学校段階で増加しており、図2-1-8に示すようにとくに中・高校生の女子で増加が目立つ。早い年代からダイエット志向が広まり、高校生の女子に至っては4分の1が食事量の調整をしているという状況である。過剰なやせ志向の広まりには注意が必要である。
■図2-1-8 ダイエットのために食べる量を減らす(学校段階別・性別、経年比較)
図2-1-8 ダイエットのために食べる量を減らす(学校段階別・性別、経年比較)
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