第1部 全体の調査結果/第4章 子どもへの進学期待と習い事 /第1節 園外教育
◆園外教育の早期化と一般化が進んでいる
表1−4−3は学年別に園外教育機関の利用率をみたものである。首都圏全体をみると、園の生活に慣れるのが大変であるとされる年少児の段階であるにもかかわらず、すでに45.5%が園外教育機関を利用している。また、就園状況別では幼稚園で年少児の53.0%が園外教育機関を利用している。早期教育の“早期化”が広がっている様子がわかる。さらに、年長児をみると、首都圏全体で74.3%と7割以上が園外教育を利用している。早期教育の一般化が進んでいるといえる。とくに幼稚園では年長児の利用率が76.9%と8割に迫ろうとしている。また、保育園でも学年が進むごとに利用率が大きく高まり、年長児では66.6%となっている。

◆首都圏では園外教育機関の複数個利用が3割
先に示した表1−4−1で、園外教育機関の複数個利用(=「2個以上」の利用)の実態をみてみよう。まず、「2個以上」の割合に着目して地域別にみると、都市規模が大きくなるにつれて利用率が高まる(地方郡部12.5%<地方市部18.3%<首都圏31.3%)。また、首都圏では「2個以上」の内訳で、「2個」が18.8%に対して、「3個」が8.9%、「4個」も2.6%となっている。首都圏では、複数個利用、多数個利用の割合が非常に高いといえる
◆幼稚園は保育園よりも、女子は男子よりも複数個利用が多い
先に示した表1−4−2は、就園状況別と子どもの性別に園外教育機関の複数個利用の実態をみたものである。まず、就園状況別では幼稚園は保育園と比べて園外教育の複数個利用が広がっている。幼稚園では「2個以上」の園外教育利用が35.4%で、「していない」の32.4%を抜いてもっとも大きな値になっている。同じ表で、性別には女子のほうが男子よりも園外教育機関の「2個以上」の利用が進んでいる(男子29.2%<女子33.5%)。
◆母親の学歴・就業状況による利用率の差
母親の学歴、就業状況と子どもの園外教育機関利用率に関連がみられた。表1−4−4は、母親の学歴別・就業状況別に園外教育機関の利用率をみたものである。利用率がもっとも高いのは大卒・専業主婦の74.5%、反対に利用率がもっとも低いのが非大卒・常勤の49.0%で、その差は25.5ポイントであった。非大卒は全体としては大卒よりも利用率が低いが、非大卒・専業主婦は59.8%であり、大卒・常勤の57.5%よりも2ポイントほど高い値になっている。
