「データで考える子どもの世界」

教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書

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分析編/第2章 家庭での環境・生活と子どもの学力

2.家庭環境・生活と子どもの学力

1) 「親の子どもへの接し方」「親の教育意識」と学力の関係

表2−1は、親の子どもへの接し方や教育意識と子どもの学力との関係を見たものである。子どもの学力水準別に、親の子どもへの接し方や教育意識を見ている。これを見ると、国語、算数とも、「家には本(マンガや雑誌を除く)がたくさんある」「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「子どもが英語や外国の文化にふれるよう意識している」「毎日子どもに朝食を食べさせている」「ニュースや新聞記事について子どもと話す」「テレビゲームで遊ぶ時間は限定している」などの項目でA層とD層との間に大きな差があることがわかる。国語、算数とも最もA層とD層で差が大きかったのは「家には本(マンガや雑誌を除く)がたくさんある」である。国語について見ると、「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」が次いで大きく、以下「子どもが英語や外国の文化にふれるよう意識している」「博物館や美術館に連れて行く」となっている。一方、算数についてもほぼ同じ傾向であるが、算数よりも国語のほうが差(A−D)が大きい項目が多い。算数のほうが差が大きい項目としては、「子どもにいろいろな体験の機会をつくるよう意識している」「テレビゲームで遊ぶ時間は限定している」などである。教育意識については、D層の親のほうが「以前のように、土曜日も授業をしてほしい」と考える傾向にあることがわかった。

また、巻末の基礎集計表(保護者アンケート)から、A層の親は子どもに高い成績や学歴を期待しており、子どもが将来「よい学校や会社へ行くこと」「自分の能力や長所を生かすこと」を期待していることがわかる(基礎集計表【保護者アンケート】参照)。

表2−1:保護者の子どもへの働きかけと子どもの学力の関係

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