学校外教育活動に関する調査

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【4】 教育費の負担―中・高生が2人いると年額100万円超も


Benesse 教育研究開発センター 教育調査課長 木村治生

◆子どもの学年による教育費の推移◆

imageあるアンケート調査によると、夫婦が理想とする人数だけ子どもを持てない理由のダントツ第1位は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」というものでした(国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」2005年実施)。それが少子化の原因だという指摘もされています。では実際に、子どもの教育にはどれくらいのお金がかかるのでしょうか。

 「学校外教育活動に関する調査」では、「世帯年収」と「子ども1人あたりの教育費(総額)」をたずねています。その2つのデータから、世帯年収に占める教育費支出の比率を計算することができます。図4-1で、それらを示してみました。この図からわかるのは、およそ次のようなことです。

第1に、世帯年収は、第1子の学年が上がるとともに増えています。子どもが小学校低学年のうちは500万円台ですが、中学校に入学するころには700万円に近づきます。

しかしながら、第2に、小学校入学以降は教育費支出も増えます。小学1年生から中学3年生にかけて、教育費は倍増しています。

これにともない、第3に、教育費支出の比率も上昇しています。小学1年生では4%台だった比率は、中学3年生には7%台に。ちなみにこれは、子ども1人あたりの教育費なので、中学生や高校生が2人以上いると年額で100万円を超え、比率も10%を超えるという計算になります。

確かに、たくさんの子どもを持つことには躊躇しそうな数値です。

◆学年ごとの特徴◆

この図からは、そのほかにも学年ごとの特徴を見出すことができます。3歳ではまだ教育費負担は重くありませんが、4〜6歳では世帯年収に比して教育費比率が高まります。これは、無償の小学校に比べて、幼稚園や保育所には保育料がかかるためだと推察されます。また、調査時期が3月であったため、小学校入学直前の6歳ではとくに教育費支出が多かったようです。

さらに、小学校高学年から中学3年生にかけて教育費が増加するのは、学習塾の費用支出の影響が大きいと思われます。高額な学習塾に通う率が増えることが、教育費支出の増加をもたらしています。

そして、高校生で高額な教育費支出が維持されているのは、学費が無償でなくなり、授業料の支出が加わるためだと考えることができます。

◆世帯年収による教育費支出の違い◆

つぎに、世帯年収によって教育費の支出がどう変わるのかをみてみました。

図4-25は、それぞれ世帯収入区分ごとに、300万円世帯(図4-2)、500万円世帯(図4-3)、700万円世帯(図4-4)、900万円世帯(図4-5)の年間の平均教育費支出をみたものです。ちなみに、総務省の家計調査(2009年5月発表)によると、2人以上の勤労者世帯の平均世帯年収は709万円なので、図4-4がもっとも平均的な数値ということになるでしょうか。

この図をみると、世帯年収が増えるにつれて、教育費支出も増えていることがわかります。300万円世帯ではだいたい年額20〜30万円台の教育費なのに対して、900万円世帯では40〜60万円前後で推移しています。

しかし、どの年収層にもある一定の教育費はかかるため、年収に占める比率は低所得世帯ほど高いということも明らかです。300万円世帯では、子どもが中学生や高校生になると、1人につき年収の10%を超える教育費を支出しています。

以上の分析から、中・高生の子どもが複数いた場合の、家計における教育費の負担の重さがみえてきました。それに加えて、世帯収入の状況によっても負荷のかかり方が異なる。そんな様子がみてとれます。収入は限られていますし、またいつ収入が減るかもわかりません。そのような状況の中でより効果的に教育費を使うにはどうすればよいか、じっくりと考えてみたくなるデータです。

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