第4回学習基本調査報告書
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(2)中堅教員が高い/低い項目
 これまで、教職経験年数を重ねるとともに増加(もしくは減少)する項目をみてきた。そのような変化を示す項目のほかに、年数が「11〜20年目」前後の中堅教員の数値が高い(もしくは低い)項目がいくつかある(図10-1-4)。経験年数が短いうちは低いが、中堅になると高まり、さらにベテランになると再び低下するような推移をたどる項目を、次に確認しよう。

 小学校教員も中学校教員もともに、「11〜20年目」前後の中堅教員は、「授業の楽しさを多少犠牲にしても、学問的に重要なことがらを押さえること」を選択する比率が相対的に高い。その一方で、これと対になる「学問的に重要なことがらよりも、子どもが楽しく学べる授業にすること」は、「5年目以下」と「31年目以上」の教員が高い。この対と同様に、中堅教員は「一人前の大人になるために必要なことを教え、訓練すること」を選択する割合が相対的に高く、「子どもの持っている可能性が開花するのを、支援すること」を選択する割合は低めである。さらに、これら2対ほどは顕著ではないが、中堅教員は「教科書や指導要領の内容を、とにかく最後まで扱うこと」を多く選択し、「一通り終わりまでやれなくても、基本的な考え方を身につけさせること」を選択する割合が比較的低い。

 こうした数値の変化からは、経験年数で中堅に位置する教員が、楽しさよりも学問的に重要なことに重きを置き、必要なことはすべて教え、訓練してでもそれを身につけさせるべきだという意識を強くもっていることがわかる。中堅教員には、学校内で子どもたちの学力向上の中核を担う役割が求められると考えられる。そうした学校内での立場が、教育観に反映しているのかもしれない。
図10-1-4 教育観(小・中学校教員/教職経験年数別)
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