第2回 小学校英語に関する基本調査(教員調査)
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2.誰が教えているのか

 次に「誰が教えているのか」ということだが、調査結果からは「学級担任」が授業にかかわる比率が増加していると同時に、中心となる指導者も「外国語指導助手(ALT、AETなど)」から「学級担任」へと移っていることがわかる(図2−1−4・5)。06年調査と比べ、「学級担任」が中心となっている比率が倍以上に増えている一方で、「外国語指導助手(ALT、AETなど)」が中心になっている比率は、半分以下に減っているのである。この4年間で、学級担任がかなり積極的に英語活動にかかわるようになってきたことがよくわかる。
 また、日本人の地域人材のボランティアも少しは増加しているが、彼らはあくまでも補助として入っており、中心にはなっていない。今後、外国語指導助手の業務委託がますます難しくなる可能性がある。また、業務委託として外国語指導助手を導入する場合、ティーム・ティーチングができないため、「お任せ授業」につながらざるを得ず、学級担任が一切かかわれなくなってしまう。このような状況を考えると、日本人英語教師が増加していくことも予想される。また、今回の調査では31.7%の学級担任が英語活動を指導する「自信がある(とても+まあ)」と答える一方で(図2−3−4)、62.1%が負担に「感じている(とても+まあ)」と答えている(巻末基礎集計表参照)。「今後小学校英語活動は誰が教えるべきか」という質問に対して、 教務主任、学級担任いずれも、およそ4人に1人が「学級担任」と答え、およそ4人に3人までが「専科教員」と答えていることからも日本人英語教師の増加が推測できるだろう(図2−7−2)。
 さらに、06年調査と比べると、10年調査では英語の専科教員が教えるべきだ、という意見が増えている。つまり、学級担任ががんばって英語活動を実施してきたが、やればやるほど、やはり、専科教員の大切さが実感されるということなのだろう。
 ところで、学級担任ががんばっている姿はみえるが、外国語指導助手(ALT、AETなど)の役割も大きい。たとえば、彼らの来校頻度は、「週1回以上(週1回以上+週1回程度)」が、06年調査の23.9%から10年調査45.5%と半数近い学校にまで増えている(図2−1−8)。ALTが担う役割については授業の中心的なものではなく、「発音について見本を示す」「児童と外国語を使って会話をする」「自然な外国語の使い方の見本を示す」などになっているようだが(図2−1−9)、ALTの派遣業者に業務委託している場合は、学級担任とのティーム・ティーチングはできないので、外国語指導助手の活用方法が難しくなるだろう。
 各自治体が、どれだけ外国語指導助手を直接雇えるかが大きなカギになってくるのではないだろうか。

3.英語教材は何を使うか

 06年調査時点にはまだなかったが、10年調査において英語活動で一番広く使用されている教材は「文部科学省が作成した『英語ノート』」89.6%だった(図2−2−1)。また、「『英語ノート』デジタル版」を使用する学校も5割弱に上った。なお、「英語ノート」については、「指導計画の作成」や「教材・教具の準備」などに役立っているという答えが多かったうえ、「外国語活動の目標と対応している」「児童に指導したい内容に沿っている」という意見には、「とてもそう思う」「まあそう思う」を合わせると、80%以上の学級担任が賛成している(図2−2−3・4)。
 なお、ALTの派遣業者など、外部の人材・機関が用意した教材を利用する比率も半数程度はあるものの、おもに使用する教材と回答している比率は2割にすぎない(巻末基礎集計表参照)。外部の人材派遣業者の場合、派遣業者自身の教材がある場合が多いが、それは必ずしも学習指導要領の内容に沿ったものではない、ということなのだろう。学級担任自身が制作した教材の利用率も4割程度ある点も注目に値する。なお、市販の小学校英語教材も最近かなり出版されている。それらの多くは、学習指導要領の趣旨に即した内容となっているものが多いためか、4人に1人が利用している。
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