都立専門高校の生徒の学習と進路に関する調査

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第4部 高校卒業後の進路・将来展望
第1章 専門高校における職業的レリバンス意識と進路不安

4.分析

それでは、分析に入ろう。本稿では、専門高校の生徒のみが分析対象となる※6。また、分析に際しては、ウェイト1の重みづけを使用する。

4.1 作業仮説1の検証:進路不安と職業的レリバンス意識の関連

まず、作業仮説1の検証を行う。

表2は、作業仮説1−1〜3を検証したものである。それによれば、次の3点がわかる。

第1に、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者の中で、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という項目に「あてはまる」と回答した者は51.4%であるのに対して、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまらない」と回答した者の中で、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という項目に「あてはまる」と回答した者は55.9%である。この差は5%水準で有意となっている。つまり、職業的レリバンス意識の向上には、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という進路不安を低減する功の側面がある。以上から、作業仮説1−1は採択された。

第2に、「自分のやりたい仕事をしぼるのはまだ早いと思う」という項目の回答については、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目への回答による差がみられない。以上から、作業仮説1−2は棄却された。

第3に、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者の中で、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という項目に「あてはまる」と回答した者は78.0%であるのに対して、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまらない」と回答した者の中で、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という項目に「あてはまる」と回答した者は72.1%である。この差は1%水準で有意となっている。つまり、職業的レリバンス意識の向上には、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安を増大する罪の側面がある。以上から、作業仮説1−3は採択された。

表2:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」表2:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」

<注>
※6 本稿の進路不安に関する変数については、男女間で回答の分布が若干異なっている。そのため、以下の分析を男女別にも行ったが、総じてみれば、男女間で分析結果は類似した傾向となった。

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