都立専門高校の生徒の学習と進路に関する調査

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第4部 高校卒業後の進路・将来展望
第1章 専門高校における職業的レリバンス意識と進路不安/4.分析

4.3 作業仮説3の検証:進路不安、職業的レリバンス意識、学校外活用機会の多寡の関連

最後に、作業仮説3の検証を行う。

表4は、作業仮説3−1〜3を検証したものである。それによれば、次の3点がわかる。

第1に、「授業で学んだことを、学校外で活かせる機会が多い」という項目に「あてはまる」と回答した集団においてのみ、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者ほど、「どんな仕事をしたいかよくわからない」という項目に「あてはまる」と回答した者が有意に少なくなっている。教育内容の学校外活用機会が多ければ、当該内容を生きた知識として吸収できるため、職業的レリバンス意識が高まることで「どんな仕事をしたいかよくわからない」という事態には陥りにくくなると解釈できる。逆にいえば、教育内容の学校外活用機会が少ないと、職業的レリバンス意識の向上が進路不安の低減につながるとは限らないということである。以上から、作業仮説3−1は採択された。

第2に、「授業で学んだことを、学校外で活かせる機会が多い」という項目に「あてはまる」と回答した集団においても、それに「あてはまらない」と回答した集団においても、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目と「自分のやりたい仕事をしぼるのはまだ早いと思う」という項目の間には有意な関連はみられない。以上から、作業仮説3−2は棄却された。

第3に、「授業で学んだことを、学校外で活かせる機会が多い」という項目に「あてはまらない」と回答した集団においてのみ、「学校での勉強は将来つきたい仕事に関係している」という項目に「あてはまる」と回答した者ほど、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という項目に「あてはまる」と回答した者が有意に多くなっている。教育内容の学校外活用機会が少ないと、教育内容の実際の活用場面が理解されにくくなるため、その状況で職業的レリバンス意識が高まると、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安が増大してしまうことになると解釈できる。ただし、教育内容の学校外活用機会が多くても、職業的レリバンス意識の向上は「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安を低減することにはならないという点には留意が必要である。教育内容の学校外活用機会の多寡には、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安を低減する積極的な効果はない。当該機会が少ない状況の中で、職業的レリバンス意識が高まると、「将来、社会でうまくやっていけるか不安だ」という進路不安を増大してしまうということである。以上から、作業仮説3−3は採択された。

表4:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」×「学校外活用機会の多寡」表4:「進路不安」×「職業的レリバンス意識」×「学校外活用機会の多寡」

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