ベネッセ教育総合研究所
特集 豊かな学力の確かな育成に向けて
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基礎学力の検証は毎年定期的に。
発展・実践力は、学習歴をつくって長期的に
 最後に、小学校での効果・検証についてですが、まず、基礎A+Bについては、やはり学力テストを使ってほしい。市販のもの、自治体のものなどを組み合わせて、毎年定点で検証し、データを蓄積すべきだと思います。
 実践的な学力は、長期的な評価をしてほしい。3〜6年というつながりのなかで、どれだけ課題発見力がついたか、計画力がついたかなど、観点を決めて、複数年の学習履歴をとっていく。すると、課題づくりも調べ方も、その後の生活への生かし方も変わってきていることがわかるはずです。
 そのうえで、保護者や地域にも要望をきくことです。先に紹介した越ヶ谷小学校では、保護者の要望を反映して、「総合的な学習」で追究するテーマを変えています。いまや学校は一人の先生の力だけでは動かなくなっています。先生同士が知恵を出し合うことはもちろんのこと、地域を巻き込んで、よりよい授業・活動をデザインしていく。そんな時代になっています。大変だけれども、やりがいのある時代です。京都市教育委員会では、今年度の人事異動から、得意な教科や分野を申告しての「教師のFA宣言」(注2)を実施していますが、意欲のある先生方には、どんどん道が開けていっているのを感じます。
(談)
注2 2003年11月に京都市教育委員会より、新年度の人事異動方針として発表された。経験10年以上の教員が、勤務校の校長を通じて、自らの専門領域等をアピール。その人材がほしいという学校からの指名があれば、異動できるという制度。この制度に併せて、市立高校全校と一部の小・中学校では、校長が自校の教員を「公募」するというシステムもスタートする。


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