ベネッセ教育総合研究所
岐阜県可児市立中部中学校
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学習指導での「学び合い」の姿勢が学校経営にもつながる
 今回の実践は、5年生の担任二人に少人数加配の先生一人と荒木校長が加わり、2クラス分、61人の児童を会議室に集めて行われた。初年度で、先生方も試行錯誤をしながらの実践だった。大集団での授業は先生たちのアイデアで、荒木校長は、「多すぎるから二つに分けたほうがいい」と思っていたという。しかし、先生たちの希望を優先した。
 「先生方が『こうしたい』と思うことを実行してもらうようにしているんですよ。校長のやり方を押しつけても意味がありませんから。指導案に多少気になる点があっても実施させてしまう。そこで問題がはっきりすればいいのですから」
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▲写真1・2 2クラス合同で61人による会議室での授業。
サブの先生が3人いたためきめ細かい指導ができた反面、
メインの先生はなかなか厳しい点もあったとか
 校長先生の懸念どおり、参加した先生からは、「やはり61人は多すぎた」と反省の声が上がっているが、それも、「実施してみたから実感できた」ことだろう。逆に、「三人が補助でついているので、一人ひとりをよくみられた」との評価の声もあり、「この授業のあと、普通の授業でも『○○さんの説明がよかった』などと発言する子どもがいて、学び合いのよさを感じたと思った」など、この実践自体の効果も深く感じられたようだ。
 「この授業は、校内の先生だけでなく、他校の先生にも保護者の方にも公開しています。見てもらうことによって、批判があれば、それを吸収していけばいいんですよ。前任校でも、3〜4回実施するうちに学校の雰囲気が変わってきました。『学び合い』の実践を体育で生かそうという先生も出てきたんですよ」
 こうしたオープンな姿勢が、荒木校長の前任校での実践をスムーズに取り入れていけた原因なのだろう。
 一斉授業のなかで、「学び合い」を生む仕かけをつくることで、個に応じた指導を実現している練馬三小の取り組みこそ、授業の基本に立ち返ることの大切さを教えてくれる。
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▲写真4 今回の実践に参加した和歌恭子先生、西原口治先生、
原沢敏恵先生、荒木校長(左から)。原沢先生は、少人数担当


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