ベネッセ教育総合研究所
特集 保護者の教育力を生かす学校づくり
PAGE 2/17 前ページ次ページ


人間関係を築くのが苦手な保護者世代
――教師に対する保護者の態度も、ひと昔前とは大きく変わってきました。
 以前は、どんな教師でも、「先生」というだけで信頼されていました。しかし、昨今はそれが揺らぎ、「いい先生に当たったわね」「うちの先生はハズレ」などという言葉が保護者の間で平気で交わされています。
「信頼できる」と思った先生には、子育ての悩みばかりでなく、夫婦や嫁姑の悩みなど、次から次へと相談してくるそうです。これは、逆に言えばほかに悩みを相談できる場がないということです。一方、「この先生は信頼できない」と思ったら、過剰に厳しい目で見ます。こうした両極端の態度の背景には、信頼感をもっていろいろな人と関係を築くのが苦手だという、いまの保護者自身の問題があります。
 いまの多くの保護者が小・中学生だった80年代は、学校が全国的にいじめなどで荒れたときでした。したがって、いじめの対象にならないようにと、常に自己防衛し、対人関係に気を遣って本音を隠していた人が多い世代です。だから、子育てについても本音で多くの人に相談することが苦手で、一方、「信頼できる」先生には過度に期待をしてしまうのです。
図表


PAGE 2/17 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse