ベネッセ教育総合研究所
特集 教室を超えて生きる国語力
宮園小学校データ
 1990年に廿日市市立宮内小学校から分離開校。人口約9万人の廿日市市の西部に位置する宮園地区は、85年から計画的に開発された住宅団地。団地内には、公民館、多目的公園、テニスコートなどが完備されており、廿日市市が目指している生涯学習の推進や地域住民のコミュニケーションの拠点となっている。学校と保護者・地域の連携も強く、開校の年に発足したPTAは、学校教育に主体的に取り組むことのできる優良PTAとして94年に文部大臣表彰を受けている。

校長/平田はつみ先生
児童数/342人
学級数/14学級

〒738-0035
広島県廿日市市宮園1丁目1-2
TEL 0829-38-1776
FAX 0829-20-2064
http://ww5.enjoy.ne.jp/
~miyazonosho/
平田はつみ
▲平田はつみ校長
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実践事例
広島県 廿日市市立宮園小学校
言葉の力を重視した国語科の指導を他教科や
日常生活にも生かす
 全校を挙げて言葉の力の向上に取り組み、成果を上げている広島県廿日市市立宮園小学校。国語の授業を通じて「話す」「聞く」「書く」「読む」の基本的な力を育成。さらに、それを他教科の学習や学校生活のあらゆる場面と関連づけることで、生きて働く確かな国語力にまで高めていこうとしている。その実践を紹介しよう。


児童の国語力不足の認識が出発点
 数年前から、宮園小学校の教師たちは、「あいさつがきちんとできない」「声が小さい」「自分の思いを自分の言葉できちんと表現できない」など、児童の基本的なコミュニケーション能力の低下に気づき始めた。最近の児童は、家で一人でゲームをするなど人とのかかわりが少なく、生活のなかで喜怒哀楽を豊かに表現する機会に乏しい。宮園小の教師たちは「子どもたちは、心を動かされる機会が少ないから、言葉が出てこないのではないか」と考え、「総合的な学習の時間」を利用して体験学習を増やすなどの対策を試みた。しかし、「インタビューをしてもうまく質問できない」「そもそも、聞いた話を理解できない」「メモをとることができない」など、体験を学びに結びつける力が学年にかかわらず乏しいことが明らかになった。
 「これは『国語力』を育てることから始めなければダメだと痛感したんです」(教務主任の谷川敏樹先生)
 そこで、2002年度にまずは「総合的な学習の時間」のなかで国語力に重点をおいた取り組みを始め、03年度からは国語科を中心に全校を挙げて研究を重ねてきた。
 研究主題として掲げられているのは「自ら学び、考え、ともに高め合う子どもをめざして」。そこには、どのように読むか、書くか、といった技術的な指導だけでなく、児童が自分から「読みたい」「書きたい」と思い、自分のなかで思考を深め、考えを子ども同士で「伝え合う」ことで、さらに考えを高めるといった、生きて働く確かな国語力を育てようという思いが表れている。


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