ベネッセ教育総合研究所
山中 伸一氏にきく
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学んだことが社会でどう生きるかを子どもに実感させたい
山中 2004年に発表されたOECD(経済協力開発機構)の「生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果を受けて、日本の子どもたちの学力の低下が話題になっています。この調査は、義務教育で得た知識を子どもたちが社会でどのように生かすことができるか、その力の測定に力点を置いています。まさに、「総合的な学習の時間」が目指している恊カきる力揩、国際社会でも重視しているのです。
  また近年、日本の社会でも年功序列制度や終身雇用制度の縮小に象徴されるように、先行き不透明な社会にあって、その時々の状況のなかで自ら判断する力など、子どもたちの恊カきる力揩育む必要性が強く実感されるようになっています。これは裏を返せば、学校が企業や地域社会の協力を得やすくなってきているということです。「総合的な学習の時間」を利用して、学校に社会人を招いて話を聞いたり、子どもたちが学校の外で職場体験をしたりすることで、世の中にどんな仕事があり、どんな力が求められているのかを知る取り組みなどを積極的に行ってほしいと思います。
  今の子どもたちには、学校で学んだ知識が社会のなかでどう生きてくるのかを身を持って実感できる場面が必要です。その意味で、各教科で得た知識を活用する能力を育成する場である「総合的な学習の時間」が大切な時間であることに変わりはありません。


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