ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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学校と家庭の連携により子どもたちの生活態度に変化が現れる
 学校、保護者の連携により、課題としていた、児童の社会性や協調性の育成に前進が見られている。
 最近は、給食の食器の片付けがきちんとできるようになってきたり、そうじの態度が良くなってくるなど、児童たちの日ごろの生活習慣や、集団マナーが改善されてきた。
 これは、学級集会の際に「学校で『よくない』と指導していることは、家庭でも同じように指導してほしい」と呼びかけるなど、学校と家庭が教育方針の共通理解を高めながら「社会性の習得」という困難な課題に協力して取り組んできた結果だ。
 「本校には『親子クリーンデー』という活動があります。これは、保護者のみなさんに子どもたちのそうじの様子を見ていただき、実際に指導していただく活動です。この活動により、子どもたちは保護者の声かけでやる気が出ますし、保護者の方々は、家庭での指導の大切さに気付いてくださるようになります」(林校長)
 平野小学校では、04年5月にも学力調査を実施した。
 「今後も学力調査を継続的に活用することで、『協調性』『社会性』における問題が、どの学年から生じてくるのか、子どもの発達段階における反抗期とも関連づけられることなのか、などを検証していき、今後の生活指導に役立てて行きたいと考えています」(林校長)
写真1
■写真1 理科の実験風景

科学的な見方・考え方を互いに高め合うことを授業でも重視
 
「学力調査」の活用と工夫
保護者会の準備を通して、教師間で調査結果を共有
平野小学校では保護者会で、各担任の説明に学級間でバラツキがでないよう、保護者会の準備を通して、教師間で学力調査結果の共有を徹底している。保護者会の前には、学力調査の結果をわかりやすく整理してまとめたものと、その説明マニュアルを作成し、担任一人ひとりがきちんと学力調査結果を説明できるようにした。その結果、保護者への説明にバラツキがなく、全教師と参加した保護者全員が同じ視点でデータを客観的に把握することができた。
これと合わせて平野小学校では学習評価の規準書も保護者に配付している。平野小学校では、いわゆる通知票を「成長のあゆみ」と呼んでいるが、観点別評価で示されたこの「成長のあゆみ」を、どのように読み取って欲しいかを示したガイドブックとして「成長のあゆみの見方」(写真参照)を作成し、年度初めに保護者に配付しているのだ。これは、学習面で、学校が提示する評価規準を明確にすることがねらいだ。保護者へはあくまで、子どもの成長を確認し、励みになるような原動力となってもらえるように配慮してある。 
こうした情報発信の結果、保護者からは、「学校がめざす学力とは、受験学力ばかりではなく、『学びの基礎力』『生きる力』の部分の学力であることがよくわかった」との感想も多く、学校への参画意欲が向上した。
成長のあゆみの見方


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