ベネッセ教育総合研究所
第1章 地方自治体がひらく新しい教育
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学校と家庭を結びつける仕組みづくりを
 学校と家庭・地域とのかかわりにおいても、地教委には学校をサポートする役目があります。保護者が「うちの子がいちばん大事」と考えるのは当然ですが、すべての保護者の意見を取り入れていては学校運営は成り立ちません。希望者には補習を行うなど、可能な限り個別のニーズには応えつつ、学校側から積極的に教育方針を発信し、「我が子主義」を乗り越えるような努力を重ねる必要があります。その際、保護者に説得力のある説明をするためには、教育長や校長が、日ごろから見識を磨いておく必要があります。また、学校と家庭や地域との連携の場を用意するのは地教委の大切な役割ですが、そこで地教委があまりにも前面に出過ぎると、学校側が消極的になってしまうこともあります。あくまでサポート役と心得て、仕掛けづくりのみに徹する配慮が大切です。
  最近では、学校の内部評価や、学校評議会による評価も一般的になりました。さらに多角的な視点で見つめ直すために、子どもによる評価を採り入れるのも一つの方法です。授業がわかりやすいか、自分たちの気持ちをわかってくれるか、といった項目から教育の受け手側の本音を探るのです。もっとも、なかには人と違ったことを言いたがる子もいるでしょうから、あくまで極端に低い評価がないかを探るための目安にとどめておくといいでしょう。また、子どもによる評価は、匿名性が確保された環境で実施することが鉄則です。
  さらに、学校や教育委員会とは無関係の組織による第三者評価も、学校改善に向けての貴重な材料になります。大学では7年に一度の第三者評価が義務づけられていますが、小・中学校でも何年かに一度、そうした評価が実施されてもいいのかもしれません。


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