ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
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4 わかる「授業システムづくり」の徹底
 篠山東中学校は、小学校・高校との連携による学校運営の活性化にも取り組んでいる。篠山東中学校の教師がテーマを持って小学校を訪れ、授業参観などを通じて課題を克服したり、実際に教壇に立ったりしている。教師は、指導力の向上や将来の新入生を把握でき、小学校の子どもにとっては「こんな先生に教えてもらえるんだ」という安心感が生まれ、不登校などを未然に防ぐ手立てにもなる。
  一方、中学校の校内研修には、小学校・高校の教師を招き、板書などの面できめ細かい指導をする小学校教師の視点から、また高校教師には教科指導の視点から意見をもらうなど、小・中・高の流れをつくる試みも始まっている。
  指導力向上への努力は、「授業システムづくり」(図3)にも見られる。これは「わかる授業」づくりや生徒が主体となる授業づくりを学校全体で徹底するために、教師の指導法や立ち振る舞いをシステム化したものである。例えば、号令のかけ方や板書の仕方、発言のとらえ方、宿題の出し方、評価の進め方などが細かく例示されている。これをすべての教科の教師が採用し、指導力の底上げや、生徒の学習習慣の確立をねらう。
▼図3
図3
  こうした取り組みの背景には、「総合的な学習の時間」で生徒たちの成長を目の当たりにした教師たちが、コミュニケーション能力、自己表現力、問題解決能力、判断力、学びの継続力などを教科の学習のなかでも育てていこうという共通認識を持ち始めたことが大きい。伸びようとする生徒をサポートする姿勢がそこにはある。
図表
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