ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
SCHOOL DATA
東京都墨田区立錦糸小学校
  1918(大正7)年に東京市太平尋常小学校として開校した長い歴史を持つ。JR総武線の錦糸町駅に程近い立地で、近辺は商業地域で繁華街や住宅が混在する。墨田区の「特色ある学校づくり」推進校として、「総合的な学習の時間」の研究や、算数の少人数授業など、独自の授業研究を進めており、研究発表も活発に実施している。05年1月に地域に発信する算数の研究発表会を行った。
堀口喜男
堀口喜男校長
所在地 〒130-0013
東京都墨田区錦糸1丁目9番12号
電話 03-3625-0311
FAX 03-3625-1993
児童数 258人
学級数 9学級+あおば学級
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事例紹介 2 
学校事例(1)
墨田区立錦糸(きんし)小学校
区の実施した学習状況調査を授業改善に生かす
錦糸小学校では、区が実施した学習状況調査の結果をもとに、授業を改善する取り組みを進めている。さらに、少人数指導を取り入れた算数など、校内研究も活発である。


(1) 「授業改善プラン」で学力の底上げを目指す
 錦糸小学校では、04年度、教師全員が「授業改善プラン」を作成した。これは、クラスごとに子どもの学習状況を分析し、具体的な授業の改善策を記したものだ(図1)。
▼図1
図2
 

この授業改善プランの材料となったのが、04年、墨田区が実施した学習状況調査の結果である。この調査の対象となった教科は、1〜2年生は国語・算数の2教科、3〜6年生は国語・算数・理科・社会の4教科。その結果やこれまでの研究実績を踏まえ、錦糸小学校は6年生の算数で墨田区の「開発的学力向上プロジェクト」の実施校に指定された。
  全学年の算数の結果から、授業改善プランを手がけた算数・少人数指導担当の今井智美先生が話す。
  「結果がよかった分野では、研究で力を入れた課題の工夫や教具の工夫が効果的であったと分析できました。また、結果が思わしくなかった分野については、学習の進め方や支援の工夫などを分析することで、今後の課題や解決策が見えてきました」
  例えば、「理解したことを自分の言葉で表現する力に欠けている」という課題に対しては、各授業のあとや、一つの単元が終わったあとに、その授業や単元で理解したこと、わからなかったことを、きちんと言葉で表現させるという対策を取り入れる。こうした検証を、算数の少人数指導担当だけでなく、すべての学級担任が学習状況調査の調査教科について行った。加えて、図工および音楽専科の教師も、学習態度や意欲面の課題を踏まえながら、各学年の授業改善プランを作成した。そうした改善策を一つひとつ積み重ね、全学年の底上げにつなげようという考えだ。この授業改善プランの作成は、05年度以降も継続する方針にしているという。



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