ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
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(2) 立地環境も少人数授業導入の背景に
 錦糸小学校は、学びの土台となる学習環境が最近揺らいでいるのではないかという不安を抱えている。背景にあるのが、繁華街に近い校区立地だ。登下校の安全管理や不審者への対策は、学校と地域が連携して取り組む重要課題である。
  また、家庭状況による家庭学習へのフォローが難しい児童もいる。加えて、外国からの転入生も近年増加してきている。日本語がほとんど理解できないため、通訳介助が必要な児童もおり、錦糸小学校には3人の通訳がいる状況だ。
  そうした環境下で、基礎的な学力を維持するために、錦糸小学校では、活発な校内研究を続けてきた。01年度には算数の少人数指導を導入し、03年度からは少人数指導の本格的な研究を開始した。
  2クラスの学年は3コースに分けられ、それぞれ10〜20人ほどの集団で授業が実施される。コースは当初、主に均等分けを取り入れていたが、単元によって習熟度に応じた少人数指導を実施。03年度より校内研究に取り組み、効果的な習熟度別指導を行ってきた。
  「何を理解するかという最終的なゴールは同じですが、そこに到達するまでの道すじを習熟度に応じて変えることで意欲と理解が深まると考えました」(今井先生)


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