ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
SCHOOL DATA
東京都墨田区立寺島中学校
  1950(昭和25)年、寺島第一中学校、および寺島第三中学校の廃止・併合によって誕生。86年にはボランティア体験学習推進校、東京都ボランティア協会協力校に指定され、94年には、墨田区の特色ある学校づくり研究奨励校として「環境教育」に着手するなど、教科科目以外の教育にも熱心に取り組んでいる。04年度には授業改善推進プランを打ち出し、学力の底上げを目指している。
小川 崇

小川 崇校長
所在地 〒131-0041
東京都墨田区八広1丁目17番15号
電話 03-3617-0537
FAX 03-3617-0977
生徒数260人
学級数 8クラス+心障学級1クラス

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事例紹介 2 
学校事例(2)
墨田区立寺島中学校
カリキュラム改革で生徒の自学自習の場を増やす
寺島中学校は、41項目にも及ぶ学校改革「寺島プラン」に着手した。その最大のコンセプトは基礎・基本の徹底。自学自習の場がカリキュラムの中に位置づけられた寺島中学校の実践を追う。


(1) 45分授業週33時間で基礎学力に手厚い指導
 寺島中学校では、05年度からカリキュラムを変更し、45分授業週33時間を実施している。それまでのカリキュラムは50分授業週28時間で、年間980時間であったが、それが年間で1155時間と増加することになった。年間の授業時数は、実質的に前年比で約6%の増加である。
  公立中学校では全国でも珍しい45分授業を寺島中学校が実施するに至った背景には、03年度からは東京都が、そして04年度には墨田区でも実施した、児童生徒の学力や生活状況の実態調査がある。いずれの調査結果も、基礎学力が十分に身についていない生徒の存在を浮き彫りにしていた。
  そこで寺島中学校では、45分授業週33時間を採用することで、英語、数学、国語の授業を標準の時数よりも増やすことを最大のねらいとした。実際、04年度と05年度のカリキュラムを比べても、すべての教科で標準時数は確保されており、増加時間分は英語、数学、国語を中心に配当されている。
  「授業時数は確かに増えましたが、始業時間は10分しか早くなっていません。7限目まで授業がある日の終業時間も従来の6限目の終業時間と10分しか変わらないのです。小学校から45分授業に慣れていることもあり、生徒の間に新カリキュラムへのとまどいはありませんでした。むしろ、45分にしたことで、生徒の授業への集中の度合いも高まったように思います」(西川由哲副校長)
  45分授業という構想が寺島中学校で生まれた当初、寺島中学校の教師の間には「申請しても、区教委に認められないのでは」と危惧する声もあったという。
  「ところが、実際には逆に『自信を持って取り組んでください』と区教委には後押ししてもらいました。地域の特色に合った教育を実現するため、現場の意見をできるだけ尊重しようという区教委の意思が私たちにも感じられました」(西川副校長)


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