ベネッセ教育総合研究所
学校現場が長期休業を意義ある機会とするために 夏休みの指導のポイント
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第2章
学校現場が長期休業を意義ある機会とするために
夏休みの指導のポイント
夏休みは、子どもたちにとって普段は経験することができないさまざまな取り組みに挑戦する絶好の機会である。一人でも多くの子どもたちが、充実した夏休みを過ごすことができるために、教師にはどのような配慮が求められるのだろうか。本特集では、これから始まる夏休みはもちろん、今後の長期休業中の指導計画を立案する際にご活用いただけるポイントを紹介したい。


休業明け、いかに子どもを学びへ戻すか
夏休みのおよそ40日間、子どもたちは学校を離れ、家庭での生活を中心に過ごす。そして9月、再び学校に戻ってきた子どもたちの姿は、教師の目にはどう映っているのだろうか。
  夏休み中、子どもたちはどうしても生活のリズムが乱れがちになる。また子どもが夏休み中も継続的に学習を続けるかどうかは、本人と家庭の教育力に多くを委ねることになる。そのため夏休み明けの授業では、集中力を欠く子どもが目立ち、また1学期終了時の学力を取り戻すのに時間がかかるという声も聞く。
  そこでVIEW21編集部で全国のモニターの教師に行ったアンケート(注1)の結果が図1・2だ。「2学期の立ち上げにどのくらい時間がかかるか」という問いでは「1週間以上2週間未満」という答えが最も多かった。また学習意欲、学力や学習習慣、生活習慣については、「向上した」と回答するケースはあるものの、どの項目とも「少し低下・崩れている」という答えが多数を占めた。こうした傾向は、小・中学校とも同様であった。
(注1)調査概要 調査時期/2005年4月 対象/全国のVIEW21モニターの小・中学校教師172名 回答数/121名 調査方法/郵送による自記式アンケート


▼図1
図1
▲ 学習への意欲、学力などいずれも「低下・崩れている」と指摘する教師が多い。
「規則正しい生活に苦痛を感じるようすが見られ、学習への集中力が低下している」
と、一定の規律のもとで学ぶことから長期間離れていた弊害を感じている声が多い


▼図2
図2
▲ 2学期の立ち上げにかかる時間としては、「1週間以上・2週間未満」を
挙げる教師が最も多かった。子どもたちのようすも「体の不調を訴えたり、
あくびが増える」「午前中眠そうにしている子どもが多い」といった声が多く
聞かれた。また、「成長している子どもとそうでない子どもの開きを感じる」
といった声もあった


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