e授業のある風景 ITの特性を利用した教科学習や学級会活動に取り組む

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「フォーラム」利用で見えてきたITの新しい可能性

  学級会などで行う子どもたちの意見交換にも、ITを活用し始めている。
  浦川先生が受け持つ6年生のクラスでは、「スクールイントラパック」(注1)の「フォーラム」を利用して、卒業制作についての話し合いを進めている。午後にある15分のプラスタイム(モジュール)では、「卒業記念に制作する映画のテーマ」が議題。子どもたちはパソコンを立ち上げると、「アクションがいい」「ホラーが面白そう」など、フォーラムに次々と意見を書いていく。浦川先生はフォーラムの書き込みを読み、具体的な説明や再考を促すコメントを返信していく(写真1)。「フォーラムのメリットは、話し合いでは出てこなかった子どもの声をすくい上げられること。挙手での発表が苦手な子どもでも、自由に意見を書いてくれます。また、短時間で多くの意見が集まるのも利点です」と浦川先生は話す。
注1 ネットワークを活用し、コンピュータによる双方向コミュニケーションと創造的学習活動を支援する、ベネッセコーポレーションの共同学習支援ソフト。 その中の「フォーラム」は、校内でインターネット上の掲示板と同様の機能が使える。
写真1
写真1 プラスタイムに子どもたちが書き込んだフォーラムの画面。子どもたちが次々に意見を書き込むと、先生はそれに対してコメントをつけ加える。子どもたちは、その先生のコメントに対する自分の考えを書き込む。先生がリアルタイムにアドバイスすることで、子どもたちも即座に考えを深められるようだ
  ただ、フォーラムは、友だちを説得できる論理の展開や表現力を磨く場にはなりにくく、結論を出すのが難しい側面がある。そのため、フォーラムである程度意見を集約し、次の学級会で実際に話し合いながら考えを深め、意見をまとめる形を取っている。今、フォーラムを活用しているのは浦川先生のクラスのみだが、6年生のほかの2クラスにも波及させ、最終的には学校全体にIT経由のコミュニケーションを広めることを考えている。

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