特集 コミュニケーションが生まれる授業づくり

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Column

ゲームなどを利用した授業づくり

■ゲームやエクササイズを活用したグループ学習や学級経営を通して、子どもたちの人間関係能力を育成する手法を数多く提唱する、都留文科大の河村茂雄教授に話を聞いた。

●エクササイズやゲームは、あくまできっかけ
  集団づくりを目的としたエクササイズなどは、それらを単発で数回実施しても効果はありません。滝沢先生も指摘するように、実施したことを日々の授業や生活指導など、日常の場面にも浸透させていくことが重要です。
●学級集団の状態の見極めが大前提
  もう一つ重要なのは、自分の学級集団の状態を的確に把握した上で、その集団の状態に合わせた働きかけをすべきだということです。例えば、「リーダーのいるまとまりのあるクラス」「いくつかのグループが対立しているクラス」「おとなしいが、どこか白けたクラス」「学級崩壊寸前のクラス」では、それぞれ働きかけが違います。ある学級で成功した方法が、ほかの学級でもうまくいくとは限りません。集団の状態の見極めには、学級集団のアセスメントなどを利用するのも有効でしょう。
●「良い学級づくり」は「学力向上」にも直結
  学級集団づくりは、単に人間関係能力の育成にとどまりません。集団が仲良くなると、互いの真似をするようになり、学習面でも真似し合うようになります。どんなに良い授業でも、クラスがバラバラであれば学習内容の定着率は良くありません。学級のコミュニケーション環境の改善は、学習環境の土壌づくりと同じと言っても言い過ぎではありません。
  日本の学校教育は集団生活・学級集団重視です。これを日本の学校教育の良さとして有効に生かすべきでしょう。(談)


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