教育現場の挑戦 「個」を育てる授業づくり

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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 次に、教師が学習指導で心がけていることを見ると(図3)、教師は授業中、子どもたちに発表させることは心がけているものの、子どもたちがさまざまな意見を出し、それらの考えを議論しながらつないでいくような進め方は、発表ほどには意識していないようである。

 

 教師が「発表」のような活動を重視している一方で、子どもはクラスメイトの前で発表するとなると緊張したり、完成度の高い発言を求められていると感じたりして、苦手意識を持ってしまっている可能性もある。子どもの実態を踏まえた場合、むしろグループ活動などで、自由に発言できるリラックスした雰囲気をつくることを心がけた方が、皆の前で発表したり、自分の意見を発言したりすることが好きになる子どもが増えるのではないだろうか。

 

 子どもたちは、自分の発言をクラスメイトや先生がきちんと聞いてくれることで、自分の考えが尊重されているように感じるだろう。それは、結果的に子どもたちの学ぶ意欲を向上させ、学びが深まる土壌につながるのではないだろうか。3ページからは、そんな授業を十数年に渡り追究し続けている、富山市立堀川小学校の事例を紹介する。

図3

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