第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例2]東京都 足立区立鹿浜小学校
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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調査結果を受け、全員参加のプロジェクトを立ち上げる

 05年度に実施した学力調査では、足立区の中で平均を下回り、予想以上に学力の低さが露呈する結果となった。特に国語と算数は基礎・基本の定着率が低く、「生きる力」「学びの基礎力」にも課題を抱えていることがはっきりと数値に表れた。とりわけ成績上位層と下位層の差は顕著で、到達度の分布状況では「二極化」が進行していた。
  「教師全員が結果を分析し、危機感を共有する必要がある」(水野校長)
  そう考えた鹿浜小学校は、すべての教師が自分の担任するクラスの結果を分析した。
  「結果はレーダーチャートなどでわかりやすく視覚化されていましたが、見ただけでは指導には生かせません。一人ひとりが結果を読み込み、自分の言葉で課題をまとめることで、はじめて指導に生かせると考えました」(水野校長)
  1か月後、教師から続々と分析書が提出された。教師によって形式も内容もさまざまで、分析の視点や方法も異なっていたが、水野校長はあえてそれらをすべてコピーし、全教師に配付した。課題の共有はもちろん、ほかの教師の分析を見ることにより、分析力が向上するように配慮した。
  このように、調査結果に対する共通認識を徹底させた上で、全校を挙げて課題に取り組むため、全教師が参加する五つのプロジェクトを立ち上げた(図1)。
  「速やかに対策を打ち出せるように、教師全員で分担することにしました。『自分も研究に参加している』という意識を持ってもらうことで、主体的な取り組みを期待しています」(水野校長)
▼図1 学力調査から課題克服までの流れ
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図1
学力調査の結果は、教師全員が分析し、その結果を共有。5つのプロジェクトチームに分かれて計画を立案し、学校改善に結び付けて、個々の児童の課題を克服する

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