みんなで取り組む小学校英語

静岡県  浜松市立北浜小学校

静岡県 浜松市立北浜小学校

1908(明治41)年開校。99年度に旧浜北市の指定を受け、「総合的な学習の時間」に英語活動を取り入れる。04年度には発達支援教育の研究も始め、英語活動と併せてコミュニケーション能力の育成に力を入れる。

校長●西信二先生

児童数●558名

学級数●19学級(うち特別支援学級2学級)

所在地●〒434-0036 静岡県浜松市横須賀800

TEL●053-586-2990

FAX●053-586-3035

URL●http://www.city.hamamatsu
-szo.ed.jp/kitahama-e/


●英語活動実施状況

学年、時数●全学年で週1回(1回20分の授業が中心)

指導者●学級担任による20分授業が中心。そのほかに各学級で年間7回程度ALTとのTT(45分)。学期に1回程度の特別活動(45分)

西信二

▲浜松市立北浜小学校校長

西信二
Nishi Shinji
池田勝久

▲浜松市立北浜小学校

池田勝久
Ikeda Katsuhisa
国際理解教育担当。3年生担任。
飯島美智子

▲浜松市立北浜小学校

飯島美智子
Iijima Michiko
研修主任。5年生担任。
*本文中のプロフィールはすべて取材時(07年3月)のものです
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例5】学級担任の持ち味を生かす英語活動

学級担任だからできる
教科と関連付けた英語活動

静岡県 浜松市立北浜小学校

全学年で週1回20分の英語活動を行う北浜小学校。活動の中心を担うのは、学級担任だ。英語の指導に対する不安をいかにして緩和し、学級担任による指導のメリットを生かしているのだろうか。

言葉以外の方法で進める英語活動

 北浜小学校では、全学年で週1回、英語活動の時間を設けている。指導するのは学級担任だ。導入当初は、「英語はほとんど話せない」「教える自信がない」など、不安を抱く教師が少なくなかったが、英語が苦手でも指導のマイナスにはならないと、国際理解教育担当の池田勝久先生は強調する。
  「本校の英語活動は、スキルの獲得ではなく、コミュニケーション能力の育成に主眼を置いています。語彙を多く覚えるのではなく、むしろ限られた語彙を補うために、ジェスチャーや顔の表情、言葉の抑揚などを使ったコミュニケーションを覚えていくのです。その指導に、英語力は必ずしも必要ではありません」
  北浜小学校の英語活動の方針は、年度当初に行う「ノンバーバルレッスン」に表れている。この活動では、日本語も英語も一切使わない。教師は、ジェスチャーや表情、教材や写真の提示など、言葉以外の方法で授業を進める。これにより、子どもも教師も大きく変化すると、研修主任の飯島美智子先生は話す。
  「子どもは最初戸惑いますが、教師の意図がわかるにつれ、言葉を使わなくてもわかり合い、伝え合えることを体験していきます。この体験を通して、『英語がわからないからあきらめる』のではなく、『英語はよくわからないけど理解し、伝えよう』と意欲的に活動するようになるのです」
  一方、教師には、「英語が話せなくても指導できる」という自信が芽生える。
  「次の活動では語彙を少し取り入れ、その後、徐々に増やしていきます。段階を踏むことで、英語に自信のない教師も、無理なく教えられるようになります」(飯島先生)
  英語活動は年間25時間程度だが、できるだけ子どもが英語に触れる機会を増やすために、45分間ではなく、20分の活動を毎週組んでいる。もう20分は国語や算数のドリルを行い、基礎学力の育成に努めている。

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