ベネッセの研究開発 東アジアの子育て事情
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日の教育を考える
ベネッセの研究開発

今回紹介する調査テーマ

東アジアの子育て事情

対人関係や学習など異なる子育て意識を持つ
東アジアの母親たち

ベネッセ教育研究開発センターは、
東京・ソウル・北京・上海・台北の保護者を対象に、
幼児の生活実態と保護者の子育てに関する意識を調査した。
また、現地に赴き、幼児を持つ家庭に直接取材をした。東アジア各国では、
保護者はどのような意識を持って子どもを育てているのだろうか。

地理的に近くても異なる子育て意識

 文化的に多くの類似点のある東アジアの国と地域だが、ここで、幼児はどのような生活をし、保護者はどのような子育て意識を持っているのだろうか。東アジアの国々の子育ての状況を知ることで、互いに学び合えることがあるのではないか。
  そこで、ベネッセ教育研究開発センターは、2005年に、東京・ソウル・北京・上海・台北の3〜6歳の就学前の幼児を持つ保護者(主に母親)を対象に、「幼児の生活アンケート・東アジア5市調査」を行った。ここでは、本調査から見られた母親の子育て意識の特徴を紹介する。
  図1は子どもの将来に対する期待、図2は幼稚園・保育園への要望、図3は文字と数の学習の開始時期に対する母親の意識を尋ねたものだ。これらのデータから次の3点がわかる。
  第1に、東京の母親は、学習よりも対人関係を重視している。対人関係の重視については、図1で「友人を大切にする人」「他人に迷惑をかけない人」が群を抜いて高いことに象徴されている。また、図2図3からは、東京の母親が学習より協調性を期待していることがわかる。
  第2に、北京・上海・台北の母親は、個人の能力や、文字や数の学習を含めた知的教育を重視している(図1〜3)。中華圏の特有の文化や、現在の経済発展に密接にかかわっていると推測される。
  第3に、ソウルの母親は、子育て観では東京の母親と似ている部分があり(図2・3)、我が子の将来に関してはリーダーシップといった指導力を重視している(図1)ことだ。

図1
図2
図3

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