教師がつながる「授業研究」

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「形」重視の従来型から自然発生型の研修へ

 そうした状況を打開するにはどうすべきか。
  まず、従来の「形」を重んじる授業研究を変えることから始めてみてはどうでしょうか。研究テーマを掲げ、主任を決めて、報告書を作成するなど、形ばかりにこだわってシステムを整備すれば、それだけで力が尽きてしまいます。形式張った授業研究から発想を転換し、本当に意欲のある教師が「自分の授業を見てください」と声をかけるなど、最初はインフォーマルに進めていけばよいのです。成果が上がれば、ほかの教師も「自分もやってみよう」と近づき、次第に集団が形成されるでしょう。
  また、従来の授業研究では、職人の徒弟制度のように、優れた教師との出会いや経験から直感的に学ばせる方法によって指導技術が高められてきました。しかし、前述のように、教師集団のつながりが希薄な今では、それが機能しなくなりつつありますから、新たな方法を取り入れなくてはなりません。優れた教師との出会いなどがなくても、だれもがステップごとに着実にレベルアップできる合理的な方法が望ましいでしょう。既に、そういった研究方法の開発は進んでいます。失敗を恐れずに、果敢に取り入れるとよいと思います。


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