明日から使えるICT講座 第1回 デジタルカメラ

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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低学年向け授業の導入として 撮影した写真をテレビで見せる
●活用の中心は「教材の補助」として

 

 低学年では、必ずしも授業で子どもにデジカメを持たせる必要はありません。先生が撮影した写真を授業の導入としてテレビを使って大きく提示したり、写真をプリントアウトして教材の1つとして配ってみたりしてみませんか。

授業の導入に画像をテレビで見せる
イラスト

授業を始めるときに、先生が撮影した写真をテレビを使って子どもに見せ、これから始まる授業への期待を高めさせましょう

伝えるための手段として撮影させる
写真

低学年の子どもにデジカメを使わせる狙いは、気づいたことや見つけたことを「伝えるための手段」の1つとして映像を経験させることです。技術的な指導は重視しなくてもよいでしょう

写真提供/相模原市立東林小学校

●「言葉」を補う手段としての撮影を体験させる

 

 先生がカメラの取り扱いに慣れてきたら、子どもにデジカメを使わせてみましょう。写真は「言葉で表現できないことを補うための手段」とも位置づけられます。ある学校では、日直にデジカメを持たせて校庭や教室で見つけたことを撮影させ、写真に「今朝寒かったので道が凍っていた」などの言葉を付け加えて、朝の会で発表するという活動をしていました。子どもの「伝える力」を養おうと始められた活動です。
  子どもに撮影させる場合、配慮したいのが撮影枚数です。子どもはシャッターを押すことが面白くてどんどん撮影していきますから、写真の整理や選択が大変になります。そこで事前に枚数制限を設けたり、撮影対象を明確にしたりすることで、撮りすぎを防ぎます。
  撮るときの位置や角度など技術面の指導は、中高学年になってからで大丈夫。低学年の子どもに対しては、まずは撮影を経験させることに主眼を置きましょう。

中高学年向け調べ学習では「伝えたいもの」をどんどん撮らせる
●言葉をわかりやすく伝える手段として

 

 3年生以上になると調べ学習や発表の機会が増えますから、子ども自身がデジタルカメラを持って撮影します。この段階での写真は、自分の主張に説得力を持たせるための素材という位置づけです。

目的によって撮影方法を変える
写真

交通量調査ではどれほど車が通っているのかを伝えるために、離れて撮影しています。目的に応じた撮影の仕方を教えるよい機会です
写真提供/松戸市立馬橋小学校

プリントアウトした写真を並べて
検討
写真

写真をプリントアウトすれば、子どもたちが一度に検討できます。アナログとデジタルを上手に使い分けるとよいでしょう

●テーマ・目的を意識して撮影させる

 

 ある学校の4年生の社会科の授業を紹介しましょう。テーマは「校区内の道路の交通量調査」。交通量が多く注意が必要な場所を調べて、写真を撮って発表します。更に一歩踏み込んで、ルーズ(離れて撮影する)とアップ(近づいて撮影する)といった撮り方の違いも伝えます。紹介したい内容の全体像を見せたいときはルーズで、詳しく紹介したいときはアップで撮ることを教えましょう。撮影するテーマや目的を明確にしておけば、子どもは最適な対象やアングルを選択し、撮影できるようになります。ブレやピンぼけなどの失敗は、撮り直しが容易なデジカメならほとんど心配がありません。1グループに1台持たせるなどして、どんどん撮らせましょう。
  設備が整っている学校では、電子ボードを用いて発表できますが、紙に書いた地図の上にプリントアウトした写真を貼って掲示してもよいでしょう。各校の設備・機器などに応じ、紙とデジタル機器を使い分けてください。


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