つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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3年生に科学の楽しさに触れてもらう

 名崎小学校は古河市東部の旧・三和町にあり、豊かな自然に囲まれているが、近年は安全面への配慮もあり、子どもが川遊びなどを通して直接自然と触れ合う機会が減っている。また、他地域と同様、カッターなどの刃物を使った工作をした経験のない子どもも多くなってきた。
 そこで、同校は「実体験から学ぶ」機会を広げようと、校内に自然観察のための「希望の池」を設けるなど、体験の機会づくりに取り組んできた。更に、「開かれた学校づくり」の観点から、学校周辺の自然や施設などを調べる校外学習や地域の清掃活動などを、保護者ボランティアの協力を得て実施している。「親子科学教室」は、こうした「実体験」と「地域交流」を両輪で進める試みの一つだ。
 「親子科学教室」のねらいを、今田昌秀先生は次のように説明する。
 「通常の理科の授業の中では、実験を行うにしても、学習指導要領に沿った内容で行うのが原則です。単元のねらいがありますから、子どもの興味や関心を引くことを最優先にするのはなかなか難しい面があります。しかし、『科学の会』の協力を得て行うこの『科学教室』では、『子どもにとっての面白さ』を一番に考えた実験ができます。原理や理屈はまだわからなくとも、とにかく科学実験の楽しさに触れてもらうことで、自然現象や身近な道具への関心を引き出したいと考えています」
 嶋山由美子先生も言葉を継ぐ。
 「3年生という理科の学習がスタートする学年で『親子科学教室』を実施することで、その後の理科の授業への導入をスムーズにするねらいがあります。『科学の会』は長年の活動を通して子どもの心をつかむポイントを心得ているので、安心してお任せできる。ねらい通りの手応えを感じています」

親子で工作する「親子科学教室」

開催日時:2008年6月19日 13:50〜14:35
対象:3年生の児童と保護者


用意するもの

ロケット…ペットボトル、アルミ缶、紙コップ、アルコール、ライター
ブーメラン…厚紙、はさみ、セロハンテープ
ホイッスル…フィルムケース、ストロー
ビニール管で小爆発…ビニール管、水素、酸素、ライター

 

1 アルコールロケットの実験


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ペットボトルや紙コップなど、身近な材料を利用した手作りロケットを、アルコールを燃料に飛ばす実験。かなりの飛距離が出て、その度に子どもは大喜び

 

2 親子でホイッスルとブーメラン作り


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フィルムケースとストローを使ったホイッスルと、紙製のブーメランを保護者と共同で作成。四苦八苦して完成したときは喜びもひとしお。特にブーメランはみんな夢中で飛ばしていた

 

3 ビニール管で小爆発


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希望者(ほぼ全員の子ども)で支えるビニールホースの中に適量の水素と酸素を入れ、火をつける。すると一瞬、雷のような火花が大きな音と共にホースの中を走った

 


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