低学年からの学びと指導 楽しい運動で体づくり
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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〈学習指導要領改訂のポイント〉
低学年から導入される体つくり運動

図1 体力低下等の現状を踏まえ改訂された新学習指導要領が、2008年3月に告示されました(図1)。低学年についての大きな改訂点は、「体つくり運動」の導入です。体力低下と聞くと、「筋力や持久力を付けさせなければ」と考えるかもしれませんが、そうではなく、発達段階に応じた指導が必要なのです。さまざまな基礎的な動きを身に付けるという観点から、低学年から「体つくり運動」(図2)が規定されました。
 幼児期から小学校中学年までは、さまざまな基礎的な体の動きを身に付けるのに適した時期です。特に、低学年までの間に「走る」「跳ぶ」「投げる」「捕る」などいろいろな動きを体験しながら身に付けておくことで、「ボールを遠くに投げる」「ボールをドリブルしながら移動する」といった複数の動作を組み合わせた動きができるようになります。
 低学年におけるもう一つの改訂ポイントは、「運動遊び」など、「遊び」という文言が入ったことです。多様な体の動きを楽しみながら身に付けておくことは、その後に自分でスポーツを選択し、生涯に渡って楽しむための土台となります(図3)。
 かつて、子どもは遊びを通して基礎的な体の動きを習得していました。今は外遊びが少なくなり、自然に身に付けられません。走ろうとしてつまずいて転んだり、転んだときにとっさに手を着けずに顔面に怪我をしたりといったことも、基礎的な身体能力がないことから起きています。
 また、運動をする子と全くしない子の二極化が進んでいるといわれていますが、普段から運動をしている子どもだからといって安心はできません。サッカー、水泳、野球などある一つの種目だけに特化して運動していることが多く、例えばボールを蹴ることはできても、ボールを投げられないことがあるのです。
 いろいろな運動を楽しみながら経験させ、生涯に渡って運動を続けていく基礎づくりをすることが、子ども時代、特に低学年では大切です。

図2、3

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