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VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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このコーナーでは、毎号異なるテーマについて、先生方から頂いた思いやご意見を紹介します。
今回のテーマは「忘れられない教え子たち」です。今回ご紹介できなかった内容も含め、いずれも先生方と生徒とのやりとりが目に浮かぶように伝わってきました。

(編集部)

成績があまり良くなかった子が、通信簿を渡した時に「先生、僕の10年後を見ていてください」と一言。現在、立派な大人になっています。

[福島県/T小学校/O・M]


6年生を担任した時、卒業式を終えて教室に戻ると、H君が突然「先生、『仰げば尊し』を歌っていいですか」と言ってきました。「歌わせてください」と言うのでうなずいたところ、大声で歌い出しました。周りの子どもも一緒になって歌い、涙いっぱいのお別れになりました。教師をやっていて良かったなと思った瞬間です。

[埼玉県/栄小学校/江森孝夫]


昆虫が大好きな男子に「『ジンガサハムシ』という金色で透明な虫がいるんだよ」と話したら、実際に捕まえてきました。その後、毎年春になると必ずその虫を持ってきます。私が転任してもジンガサ君を見せに来てくれる「春を告げるエンジェル」です。

[静岡県/F小学校/小澤久美子]


前任校でのD君は友だち付き合いが下手で、休み時間は本を読んだり、一人遊びをしたりしていました。3年生の1学期間、私は彼の手を引いて体育館に行き、一緒に過ごしました。徐々に他の子と遊ぶようになり、6年生の時は児童会長になり頑張りました。

[北海道/H小学校/M・E]


詩を学習した時、作品の語彙(ごい)が素晴らしい子がいました。その素晴らしい才能を磨くためには、私の指導力では不十分で、誰か専門の先生を探してやらなければと、真剣に考えました。

[東京都/富士見小学校/小島英樹]


勉強が苦手だった子が、分数の計算が得意になり、ある時、「勉強って楽しい」とつぶやきました。それ以降、意欲的に学習に取り組むようになりました。

[福島県/福島第二小学校/Y・T]

初任のころ、休み時間に児童が突然「A君が階段で吐いた」と職員室に教えに来ました。正直なところ「えっ」と思いながら、場所などを確認して現場に向かうと、担任をしていた4年生の女の子が新聞紙を持って片付けていました。「ありがとう」と言うと、「お母さんと時々していますから」と、あっけらかんとした答えが返ってきました。周りの子どもは尻込みし、実は教師の自分もすぐには手を付けられませんでした。その愚かさを猛省して、その後の頑張りの糧としています。

[岩手県/安渡(あんど)小学校/今野義雄]


ボランティアで、校門周辺の掃除を毎日行った子どもがいました。卒業式当日も「今日はいいよ」と声を掛けたにもかかわらず、笑顔で取り組んでいました。

[愛知県/桜町小学校/生田勝利]


担任した学級は、学級対抗リレーの3連覇を懸けて6年生最後の運動会に臨みました。2年間の優勝に続き、その年のリハーサルでもダントツの1位。当日、予想通り大差を付けて、学年で一番足の速いアンカーにバトンが渡りました。その子は一気に加速し、差をますます広げ、歯を食いしばり全速力でゴールを駆け抜けました。私はその子に「2位と50メートルも差が付いているのに、よく最後まで油断せず全力で走れたな」と声を掛けました。すると、その子はこう言ったのです。「僕たちのクラスは決して強くありません」と。大差があっても力を抜かずにゴールした姿に、教わるものがありました。

[青森県/中央小学校/竹浪誠也]


いつもノートや本にくまなく恐竜の絵を描いていた子がいました。大人になり、デザイナーになりました。

[滋賀県/H小学校/N・A]


「教育は繰り返しですね」。25年前に受け持った2年生の男子が私に対して言った言葉。初めて受け持った学級で、しょっちゅうしかっていたやんちゃな子でした。

[大分県/A小学校/M・T]




→ 中学校の先生方の意見も読む

次号のテーマは
「もし職員室を自由に変えられるとしたら?」


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