移行措置対応のポイント 第2回 「活用」から見る算数の授業
神奈川県横浜市立釜利谷東小学校

神奈川県横浜市立釜利谷東小学校

◎1979(昭和54)年開校。学校マニフェスト(中期学校運営計画)では、「確かな学力定着のための授業改善・指導の充実」などを宣言。2008年度、「一人ひとり確かに学び、互いの考えを認め合う子どもの育成」を目指し、算数科の校内研究を始めた。

校長◎上柳貴義先生
児童数◎386人
学級数◎14学級(うち個別支援学級2)
所在地◎〒236-0042 神奈川県横浜市金沢区釜利谷東2-12-1
TEL◎045-783-9398
URL◎http://www.edu.city.
yokohama.jp/sch/es/
kamariyahigashi/

公開研究会◎2009年度は終了

※上柳先生の『やなぎ』の字は、本来は本字体ですがWEB上で表現出来ない字の為、当サイト上では『柳』で表記しております。


VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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提案〈実践編〉授業研究会

既習事項を整理した
明確な問いづくりが思考を促す

神奈川県横浜市立釜利谷東(かまりやひがし)小学校
横浜市教育委員会事務局齊藤一弥(かずや) 首席指導主事

横浜市立釜利谷東小学校では、「活用」の視点も含めた「確かな学び」を主題に授業改善に取り組んでいる。
二人の若い先生が授業提案を行い、「提案〈理論編〉」に登場の横浜市教育委員会の齊藤一弥先生が指導された、研究会の様子を紹介する。
授業概要
算数の専門ではない先生の、活用の視点を含んだ授業へのチャレンジ
「1年生で習った15−8の計算」「単位量あたりでの比較」を活用した授業

解説のポイント
子どもから想定した声が出ない場合はどのようにするのか?
「単位量あたりの大きさ」で最も大切な指導事項は何か?

活用の視点から授業を改善し「生きる力」の育成を目指す

 「分かる」「面白い」「もっと勉強したい」。釜利谷東小学校では、すべての子どもがそう感じるような算数の授業を目指し、2008年度から校内研究に取り組む。中心テーマは「活用の効果的な取り入れ方」だ。既習内容を踏まえることが必要と考え、08年度は学年間の指導内容の系統の確認を進めた。
 2年生担任の藤本光子先生は、「うまく活用した子どもは『1年生の内容を使えば簡単に解けるね』などとつぶやきます。指導案の検討は、『どのようなつぶやきを聞きたいか』という視点を重視しています」と話す。研究授業を担当した中嶋千景先生は、「皆の意見を参考にして指導案を作ったら、普段よりも子どもの反応が良かった。今後の課題も明確になりました」と言う。
 齊藤一弥先生の「算数で国語を教える気持ちで」という指導に従い、思考過程や結果を自分の言葉で説明する学習も重視。研究主任の田名部和美先生は「表現することで、自分の思考を振り返るようになると同時に、友だちの思考への関心も高まっています」と喜ぶ。
 算数の充実の先には「生きる力」の育成を見据える。校長の上柳(うえやなぎ)貴義先生は、次のように語る。
 「授業中のひらめきや発見を通して得られる『自分の中に新しい考え方が生まれた』という感覚は、自信や学習意欲の向上につながります。その積み重ねが主体的な学び、更には社会を生きていく力に結び付くと考えます」
 次ページから、日々研究を重ねる同校の授業研究会の様子を紹介する。


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