つながる学校と家庭の学び
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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子どもと保護者が話し合い生活改善の目標を決定

 ただ、子ども一人では、規則正しい生活をすぐに送れるようにするのは難しい。学校の取り組みだけでは教師の目が届かない家庭での生活習慣は改善出来ない。そこで、同校は家庭と連携して、子どもの生活改善に取り組むことにした。
図2:にこにこ家族会議
図2:にこにこ家族会議
記載項目は全学年共通で、「お手伝いの内容」「寝る時刻と寝る時刻を守るためにがんばること」「お手伝いと寝る時刻の目標達成度合い」「子ども自身の振り返り」「保護者のコメント」といった項目が並ぶ。翌週の月曜日に担任に提出する
※上記の加工可能な資料がダウンロードできます
■にこにこ家族会議 Wordダウンロード(43KB)
■にこにこ家族会議(こどもたちへ) Wordダウンロード(37KB)
■にこにこ家族会議のお願い Wordダウンロード(43KB)
 その中心となる取り組みが、各学期、長期休業前の1週間で行われる「にこにこ家族会議」(図2)だ。家庭で子どもと保護者が話し合い、「ねる時刻」「ねる時刻を守るためにがんばること」「おてつだいの内容」を決める。それに基づいて、全学年の児童が、「何時に寝たか」や「お手伝いをどの程度したか」など、毎日の生活を自分で記録する。1週間分の生活記録を記入した「にこにこ家族会議」の用紙は、子ども自身の振り返りと保護者のコメントを添えて、翌週の月曜日に担任に提出する。
 「家庭で話し合って目標を決めることで、子どもに達成しようという意気込みが生まれ、家族の励ましや目標達成により自尊感情も高まります。また、学期末に生活習慣を整え、長期休業中の生活の乱れを防ぐねらいもあります」(中村校長)
 多くの子どもは、寝る時刻は9時から9時30分に設定し、「だらだらテレビを見ないようにする」「宿題を早めに終わらせたい」「お風呂に早く入るようにする」などの約束事を挙げる。お手伝いでは、皿洗いや布団敷き、トイレ掃除などが多い。
 子ども自身の振り返りでは、「普段より早寝早起きが出来て良かったです」「お手伝いをしてみて、お母さんに褒められてうれしかった」などの感想が見られるという。
 一方、保護者のコメント欄では、「目標を達成出来て良かったね。お手伝いをしてくれてとても助かりました。これからも続けてください」といった励ましのコメントが大半で、子どもの達成感と自尊感情を高めている。多くの保護者が、子どもの寝る時刻が早まり、お手伝いの習慣も身に付いたと実感しているという。
 「親子で一緒に目標や約束事を決めているからこそ得られる実感だと思います」(中村校長)

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