ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

生活時間

生活時間 〜第4回〜

第4回

  1. 大学生の授業への出席率は87%
  2. 「毎日が楽しい」が、多忙感も感じる中・高校生
  3. 小学生の6割弱が「友だちとすごす時間」を増やしたい
  4. 午後8時、中3生の5割が勉強
  5. 小学生の遊びのピークは16時45分

第1回

PDFダウンロード(256KB)PDF

高校生の睡眠時間、半数が6時間以内 幼児の保護者に「早寝、早起き」の重要性が浸透? もっとも勉強するのは中学生、4割近くが2時間以上 など


第2回

PDFダウンロード(251KB)PDF

4割の中学生が、テレビを3時間以上見ている 学習塾に通う中高生の7割が、午後9時以降に帰宅 勉強や遊びの時間の4〜5割が「TV・ビデオ・TVゲーム」 など


第3回

PDFダウンロード(197KB)PDF

ほとんど本を読まない高校生が約半数 小学生の学習時間、東京は二極化 幼児の生活リズムが夜型化

【4-1】大学生の授業への出席率は87%

大学生の大学内、大学外での1週間の過ごし方(学年別)

出典
「大学生の学習・生活実態調査ダイジェスト版」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
18〜24歳の大学1〜4年生 4,070名(男子2,439名、女子1,631名)

大学生に大学内・大学外での1週間の過ごし方等についてたずねた調査結果をみると、「1週間での通学日数」の平均は4.4日、「授業への出席率」は87%とともに高く、まじめに大学へ通う学生像が浮かび上がってくる。

学年別にみてみると、1年で通学日数(5.0日)・出席率(91%)がともに高く、2年(4.9日・88%)、3年(4.5日・87%)、4年(3.5日・82%)と学年が上がるにつれて減少し、とくに4年生で低い傾向がみられた。
 学部系統別では、授業への出席率は「保健その他(看護・医・歯・薬)」(94%)、「農水産」(91%)、「理工」(89%)と、いわゆる理系学部で高く、「授業の予復習や課題をやる時間」も多い傾向がみられた。
 学年や所属学部によって、学習時間に差が生じている様子がうかがえる。

大学外での時間の過ごし方については、4年生で「授業の予復習や課題をやる時間」が週に「3〜5時間」以上の比率は19.0%と、全体平均(26.6%)に比べ少なくなる一方で、「大学の授業以外の自主的な勉強」については25.0%が週に「3〜5時間」以上と回答しており、全体平均(19.2%)に比べて多くなっていることがわかる。

【4-2】「毎日が楽しい」が、多忙感も感じる中・高校生

時間のすごし方(学校段階別)

出典
「放課後の生活時間調査−子どもたちの時間の使い方[意識と実態] 速報版」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
全国の小学5年生〜高校2年生 8,017名

全国の小・中・高校生に、時間に関する意識や行動についてたずねた調査結果をみると、小学生の9割(89.1%)、中・高校生の8割(中81.5%、高76.0%)が、「毎日が楽しい」(「とてもあてはまる」+「わりとあてはまる」)と感じていることがわかった。
 また、「約束の時間を守るほうだ」は、小・中・高校生とも8割以上(小83.1%、中84.5%、高85.0%)が「とてもあてはまる」+「わりとあてはまる」と回答しており、学校段階に関わらず約束の時間を守る意識が高いことがわかる。

その一方で、「もっとゆっくりすごしたい」(小68.9%、中81.0%、高80.6%)、「時間をむだに使っていると感じる」(小46.5%、中63.6%、高69.4%)は、小学生から中学生になると、「とてもあてはまる」+「わりとあてはまる」の比率が10ポイント以上増加する。中学生になると、忙しく、時間をうまく使えなくなる様子がうかがえる。
 同調査で心や身体の疲れについてたずねた項目においても、中学生になると「疲れやすい」「あきっぽい」「やる気が起きない」など、多忙感やストレスを感じる割合が急増しており、心身の疲れとの関連性がみてとれる。

【4-3】小学生の6割弱が「友だちとすごす時間」を増やしたい

増やしたい時間(学校段階別)

出典
「放課後の生活時間調査−子どもたちの時間の使い方[意識と実態] 速報版」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
全国の小学5年生〜高校2年生 8,017名

全国の小・中・高校生に、「次のような時間を増やしたいと思いますか」とたずねた調査結果をみると、「増やしたい」と回答した割合が高かったのは、小学生では「友だちとすごす時間」(57.8%)、「外で遊ぶ・スポーツをする時間」(52.3%)であり、中・高校生では、「睡眠時間」(中60.0%、高64.1%)、「勉強時間」(中53.1%、高62.7%)となっている。

また、人と過ごす時間については、学校段階が上がると、「家族とすごす時間」「友だちとすごす時間」を「増やしたい」割合が減少し、「1人ですごす時間」を「増やしたい」割合が増加している。こうした結果からは、子どもの精神的な成長も垣間見え、興味深い。

【4-4】午後8時、中3生の5割が勉強

時刻別の行為者率(学校段階別)

出典
「放課後の生活時間調査−子どもたちの24時間 ダイジェスト版」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
全国の小学5年生〜高校2年生 8,017名

子どもたちの平日24時間の行動を15分単位で調べた調査結果から、20時、23時の時点において、どれくらいの割合の子どもがどんな行動をしているのかをみてみた。

20時では、中3生の半数(50.4%)が勉強をしており、中1・2生でも4割弱(36.6%)の子どもが勉強していることがわかる。一方、小学生と高校生では、生活やメディアの割合が多くなっている。

23時になると、小学生の9割、中1・2生の6割がすでに就寝している。中3生や高校生も3割弱は就寝しているが、勉強やメディアに時間をあてている子どももそれぞれ2割前後いる。とくに高校生ではメディアの割合が多く(25.1%)、20時以降4人に1人がメディアを視聴している様子がうかがえる。

【4-5】小学生の遊びのピークは16時45分

遊びの時刻別行為者率(小学生)

出典
「放課後の生活時間調査−子どもたちの24時間 ダイジェスト版」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
全国の小学5年生〜高校2年生 8,017名

2008年11月中旬に、子どもたちの平日24時間の行動を15分単位で調べた調査結果から、小学生の遊びに関する項目を取り上げてみると、小学生の遊びのピークは16時45分で、この時刻に4人に1人(24.5%)が遊んでいることがわかった。
  内訳をみてみると、「屋外での遊び・スポーツ」が10.6%ともっとも多く、次いで「室内での遊び」8.1%、「テレビゲーム」5.9%となっている。

テレビゲームだけでみると、ピークは17時30分(6.5%)で、その後いったん減少するものの、19時以降再び増え始め、20時30分に2度目のピーク(4.6%)があるのが特徴的だ。

参考資料
「大学生の学習・生活実態調査報告書」ベネッセ教育研究開発センター
「大学生の学習・生活実態調査ダイジェスト版」ベネッセ教育研究開発センター
「放課後の生活時間調査−子どもたちの時間の使い方[意識と実態] 速報版」ベネッセ教育研究開発センター
「放課後の生活時間調査−子どもたちの24時間 ダイジェスト版」ベネッセ教育研究開発センター