![]() |
教育費 〜第1回〜
|
「学習費総額」には、「学校教育費」(授業料、教材費、学用品等)、「学校給食費」および「学校外活動費」(塾、習いごと等)が含まれる。学校種別にみると、公立幼稚園の23万8千円がもっとも低く、私立中学校の127万5千円がもっとも高い。
授業料を必要としない公立小・中学校においては「学校外活動費」の構成比が高く6割を超え、それ以外の学校では「学校教育費」の構成比が高く、私立中・高校では7割を超えている。私立中学校の「学校教育費」「学校外活動費」は、私立高校のそれを金額で上回り、さらに増加傾向にある。
公立と私立で「学習費総額」に大きな違いがあり、幼稚園では私立が公立の2.1倍、中学校では2.7倍、高校では2.0倍となっている。
「学校外活動費」は、「補助学習費」(塾、家庭教師、家庭学習用の物品・図書費等)と「その他の学校外活動費」(習いごと、スポーツ等)に分けられる。
「補助学習費」は、学習机などの家庭で学習に使用する物品を購入することが多い小学1年を除き、幼稚園から中学校まで学年とともに高くなっている。 「その他の学校外活動費」は、小学1年から小学5年ぐらいまでは大きな変化がみられず、小学6年から高校2年まで学年とともに低くなっていく。
「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の割合は、小学5年までは「その他の学校外活動費」が高く、小学6年以降「補助学習費」が上回っている。小学校の低学年から中学年にかけては習いごとがさかんとなるが、小学6年を境にして、塾と習いごとの逆転がみられる。
「補助学習費」は、「家庭内学習費」(家庭学習用の物品・図書費)、「家庭教師費等」(家庭教師、通信添削)、「学習塾費」(学習塾)および「その他」から構成される。いずれの学年でも「学習塾費」の割合がもっとも高い。
「補助学習費」全体では、公立では中学3年の32万5千円、私立では高校3年の32万8千円がもっとも高くなっている。
「学習塾費」は、中学校では私立より公立が高く、高校では公立より私立が高い。また、公立では、中学校、高校ともに、それぞれ学年が進むにつれて高くなっている。公立の中学3年の25万円が、公立私立を合わせてもっとも高い。
私立中学校は、「学習費総額」では127万5千円で、公立の2.7倍であるが、高校受験を行う生徒が少ないことなどから、「学習塾費」に限っては14万円で、公立の0.56倍(中学3年)と少ないのが特徴的である。
小学1年から高校3年までの12年間の「学習費総額」を公立・私立の選択ケース別に単純合計すると、ケース1の「すべて公立」の場合は484万3千円となる。また、ケース2の「高等学校だけ私立」の場合は638万7千円、ケース3の「中学以降私立」の場合は880万1千円となる。
公立・私立の選択ケースにより12年間の「学習費総額」は大きく異なり、ケース2はケース1の1.3倍、ケース3はケース1の1.8倍となっている。
さらに大学の選択により、大学卒業までにかかる費用に大きな差が生じる。第2回で紹介する「大学生(昼間部)の国立、私立の学費と生活費」(『教育費』第2回【2-3】参照」)のデータも参照されたい。