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教育費 〜第2回〜
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国民生活金融公庫総合研究所「家計における教育費負担の実態調査」によれば、世帯の年収に対する「在学費用」(授業料、通学費、教科書代等の学校教育費および、塾の月謝、おけいこごとの費用等の家庭教育費)の割合は平均30.8%と高く、経済的負担が大きい。
教育費の捻出方法については、「教育費以外の支出を削っている」が68.3%(複数回答)ともっとも多く、「子供がアルバイトをしている」(44.3%)、「預貯金や保険などを取り崩している」(38.6%)と続く。
「教育費以外の支出を削っている」と回答した世帯が節約している支出は、「旅行・レジャー費」(59.0%)がもっとも多く、「外食費」(47.7%)、「衣類の購入費」(47.0%)、「食費」(44.9%)、「保護者のこづかい」(40.2%)と続いている。
「親は子どもがどの程度になるまで経済的に面倒をみてもよいと思うか」という質問に対し、「義務教育の間」、「高校まで」、「成人するまで」と回答した人の割合は29.4%。「学生の間」と回答した人は45.2%で、「定職に就くまで」、「結婚するまで」、「親が面倒をみられる限り長く」と回答した人は24.4%である。
親が経済的に面倒をみてもよいと思う期間は、長期化の傾向にある。15歳から34歳の若年無業者(通学、既婚を除く)は2006年時点で75万人、また若年のパート・アルバイト(通学、既婚女性を除く)は187万人(総務省統計局「労働力調査」より)と、いわゆるニート、フリーターが多数存在することなどが背景にあると考えられる。
大学生の学費と生活費に関して調査したところ、下宿等から私立大学へ通うケースが、学費と生活費の合計で249万3千円ともっとも高い。自宅から国立大学へ通うケースは104万8千円でもっとも低く、両者は2.4倍の開きがある。下宿等から私立大学に通うことは、かなりの負担になっていることがわかる。
自宅から私立大学へ通うケース(174万2千円)は、下宿等から国立大学へ通うケース(181万6千円)と金額的に近く、「国立大学なら遠方でもよいが、私立大学なら地元で」など、志望校選択に影響を与えていることも予想される。
これらの費用は、自宅から通うケースで約7割、下宿等から通うケースで約8割が、家庭からの給付でまかなわれており、保護者の経済的負担が大きい。
家の人からもらうおこづかいは、学年とともにほぼ増えている。小学生の平均金額が1,115円、中学生が2,559円、高校生が5,379円で、上級の学校に進む際に大きく増加している。
小学生では都市部より郡部の方が金額が多く、中学生以上では郡部より都市部の方が金額が多い傾向がある。都市部の小学生は外で遊ぶことが少ないなど、放課後の過ごし方の違いが、おこづかいの金額にも影響しているものと思われる。