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健康 〜第2回〜
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むし歯のある子どもの割合(処置完了者を含む)は、幼稚園55.2%、小学校67.8%、中学校59.7%、高等学校70.1%となっている。処置完了者を含む割合なので、基本的に年齢とともに増加していくが、永久歯への生え変わりにともない、中学校段階で一時減少している。 なお未処置の歯のある子どもは、いずれの学校段階でも3割前後(幼稚園33.5%、小学校34.9%、中学校27.7%、高等学校30.6%、同調査より)である。
10年前(平成8年)の調査と比較すると、むし歯の割合は、すべての学校段階で大きく減少している。中学校では25%、高等学校では20%減少しており、歯磨き指導などむし歯予防に関する正しい知識が普及してきたことなどが成果となってあらわれている。
裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は、幼稚園24.1%、小学校28.4%、中学校50.1%、高等学校58.7%となっており、子どもの視力は学校段階が上がるにつれて、確実に低下している。高等学校では、裸眼視力0.7未満の子どもの割合が44.4%(同調査より)となっており、半数近くの子どもがメガネなどを必要とする状態であることがわかる。
10年前(平成8年)の調査と比較すると、幼稚園や小学校の段階での視力の低下が進み(2.6〜2.7%増加)、逆に高等学校では4.0%改善している。テレビゲームなどの利用の低年齢化が進み、これらに熱中する年齢も低くなっていることなどが影響を与えているように思われる。
アレルギー様症状の有無については、すべての種類(皮膚、呼吸器、目鼻)のほぼすべての年齢において、大都市部は郡部に比べて、「症状あり」の割合が高い。とくに若い年齢の目鼻のアレルギー様症状においてその差が大きく、5〜9歳で10%近い開きがある。
皮膚のアレルギー様症状は0〜4歳で30.0%(大都市部)ともっとも多く、アトピーなど、皮膚のアレルギーで悩む子どもが実に多いことがわかる。その後年齢とともに減少する傾向にあるが20〜24歳で再び増加している。20〜24歳での増加は、化粧品などの利用が増える年齢であることも関係があると考えられる。
呼吸器のアレルギー様症状は、大きくは年齢とともに減少する傾向にある。郡部では、0〜4歳(12.5%)、5〜9歳(14.0%)等の若い年齢では比較的高い値だが、その後年齢とともに減少している。
目鼻のアレルギー様症状は、10〜14歳をピークに増加し、その後はやや減少する傾向にある。大都市部の10〜14歳の32.4%に目鼻のアレルギー様症状があり、3分の1近い子どもが花粉症などで悩んでいることがわかる。
中高生の喫煙率を調べたところ、男女ともに学年が上がるとともに「月喫煙者(この30日に1日でも喫煙経験があるもの)」が増加している。高校3年生では、男子の21.7%、女子の9.7%は喫煙者で、毎日喫煙しているものが男子の13.0%、女子の4.3%にのぼっている。また、中学3年生でも、男子の2.2%、女子の1.2%が毎日喫煙している。
平成8年、平成12年、平成16年の調査結果を比較すると、平成8年と平成12年が同じような値であるのに対し、平成16年は喫煙者が大きく減少(どの学年でもほぼ4〜5割減)している。学校などにおける喫煙防止教育の成果とともに、平成14年に「健康増進法」が制定され、喫煙可能な場所が大きく制限され、一般成人の喫煙率の減少が大きく進んだ(平成16年に成人の喫煙率が30%を割る)ことなどが影響していると考えられる。